第50回 作業療法士国家試験 午前 第20問
作業療法治療学第50回午前
次の文により19、20の問いに答えよ。
10歳の男児。学業成績は中位だが授業中に落ちつきがなく、隣の子に一方的に話しかける、落書きをする、忘れ物をするなどでよく注意を受けていた。片付けも苦手で自室は乱雑であった。心配した母親と共に精神科を受診し、外来作業療法が開始された。
この男児に対する作業療法での対応で適切なのはどれか。
1. 小集団活動に導入する。
2. 強い口調で指示を伝える。
3. ほめずに見守りを重視する。
4. 作業手順を詳細に説明する。
5. 問題行動には触れずにおく。
- 1. 小集団活動に導入する。 ✓
- 2. 強い口調で指示を伝える。
- 3. ほめずに見守りを重視する。
- 4. 作業手順を詳細に説明する。
- 5. 問題行動には触れずにおく。
正答:1番
解説
# 第50回 第A020問 解説
■ 正答:1番 — 小集団活動に導入する
ADHD児への作業療法では、少人数の構造化された集団での活動が対人スキル・社会性の発達に有効。一対一の個別対応だけでなく、小集団での適切な社会的行動の学習の機会を提供することが推奨される。
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【各選択肢の解説】
1. 小集団活動に導入する。
✅ 正しい。ADHD児は集団での社会的行動(順番を守る・人の話を聞く・協力する)の練習が必要。小集団(3〜5人程度)は適切な刺激量と社会的フィードバックが得られ、OT場面での対人スキル訓練として最適。
2. 強い口調で指示を伝える。
❌ 誤り。強い口調・威圧的なアプローチはADHD児の情緒的興奮を高め、行動をエスカレートさせる。穏やかで明確な指示が基本。
3. ほめずに見守りを重視する。
❌ 誤り。ADHDへの行動療法の基本は「**適切な行動を即座に賞賛する(正の強化)**」。褒めないことは効果的な介入ではない。
4. 作業手順を詳細に説明する。
❌ 誤り。長い口頭説明はADHD児の注意持続の限界を超えやすく、詳細な一括説明は逆効果。**短く・一つずつ・視覚的補助を使った指示**が基本。
5. 問題行動には触れずにおく。
❌ 誤り。問題行動を無視することも行動療法の一手法だが、「触れずにおく」という消極的な対応では適切な行動が定着しない。適切な行動への賞賛が優先。
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【試験対策ポイント】
ADHD児へのOT対応まとめ:
1. **小集団活動**での社会スキル練習
2. **正の強化(適切行動の即時賞賛)**
3. 短く・具体的・視覚的な指示
4. 構造化された環境の提供
5. 保護者へのペアレントトレーニング
「大集団→刺激過多→混乱」「個別だけでは社会性練習不足」→**小集団が適切**。
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