第50回 作業療法士国家試験 午後 第10問
作業療法治療学第50回午後
80代の女性。息子の家族と同居。孫の名前を忘れる、日付がわからない、居眠りする、洗濯や掃除を完了せず放置するなどのエピソードが頻繁にあり受診したところ、Alzheimer型認知症と診断され作業療法の指示が出た。介入で適切なのはどれか。
1. 家事はできるだけ減らすよう指導する。
2. 家事を複数同時に行わないよう指導する。
3. 休息を今まで以上に多く取るよう指導する。
4. 「今日は何月何日ですか」と家族に尋ねさせる。
5. 「お孫さんの名前はなんでしたか」と毎回聞く。
- 1. 家事はできるだけ減らすよう指導する。
- 2. 家事を複数同時に行わないよう指導する。 ✓
- 3. 休息を今まで以上に多く取るよう指導する。
- 4. 「今日は何月何日ですか」と家族に尋ねさせる。
- 5. 「お孫さんの名前はなんでしたか」と毎回聞く。
正答:2番
解説
# 第50回 第B010問 解説
■ 正答:2番 — 家事を複数同時に行わないよう指導する。
Alzheimer型認知症では注意分割機能(複数の課題を同時に行う能力)が障害される。複数の家事を同時並行で行うと混乱・中断・放置が生じやすい。単一課題に集中できる環境設定が有効な介入である。
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【各選択肢の解説】
1. 家事はできるだけ減らすよう指導する。
❌ 誤り。家事などの日常的な活動は認知症の進行抑制に有効であり、過度に制限することは望ましくない。
2. 家事を複数同時に行わないよう指導する。
✅ 正しい。**注意分割機能の障害**に対して、一度に一つの課題に集中させることは有効な環境調整である。
3. 休息を今まで以上に多く取るよう指導する。
❌ 誤り。居眠りはすでにみられており、過度な休息はむしろ昼夜逆転や活動低下を招く。
4. 「今日は何月何日ですか」と家族に尋ねさせる。
❌ 誤り。これは現実見当識訓練(RO)的アプローチだが、家族が繰り返し問いただすことは本人のストレスとなり逆効果になりやすい。
5. 「お孫さんの名前はなんでしたか」と毎回聞く。
❌ 誤り。記憶障害のある患者に繰り返し失敗体験をさせることは自尊心を傷つける。**失敗体験を避ける**介入が原則。
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【試験対策ポイント】
Alzheimer型認知症への介入原則:**失敗体験を避ける・残存能力を活かす・環境を単純化する**。「複数同時作業の禁止」は注意分割障害への具体的対応。RO(現実見当識訓練)を家族が強制的に行うことは逆効果になりうる点も重要。