第50回 作業療法士国家試験 午後 第14問
作業療法治療学第50回午後
76歳の女性、HDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)が19点のAlzheimer型認知症。グループホームで異食や他の入居者への暴力がみられるようになり、対応困難で精神科病院に入院となった。作業療法中にみられる行動障害への対応で適切なのはどれか。
1. 患者に注意する。
2. 患者を説得する。
3. 行動を黙認する。
4. 行動を制止する。
5. 患者に理由を尋ねる。
- 1. 患者に注意する。
- 2. 患者を説得する。
- 3. 行動を黙認する。
- 4. 行動を制止する。
- 5. 患者に理由を尋ねる。 ✓
正答:5番
解説
# 第50回 第B014問 解説
■ 正答:5番 — 患者に理由を尋ねる。
認知症患者の行動障害(BPSD)には必ず何らかの理由・ニーズがある。行動の背景にある気持ちや原因を探ることが、適切な対応の第一歩となる。
---
【各選択肢の解説】
1. 患者に注意する。
❌ 誤り。注意・叱責は患者の不安・興奮を高め、BPSDを悪化させる。
2. 患者を説得する。
❌ 誤り。認知症患者への論理的説得は通じにくく、かえって混乱を招く。
3. 行動を黙認する。
❌ 誤り。他者への暴力など安全に関わる行動は黙認できない。
4. 行動を制止する。
❌ 誤り。物理的制止はさらなる興奮・抵抗を招く可能性がある。
5. 患者に理由を尋ねる。
✅ 正しい。行動の背景にある**ニーズや感情を理解しようとする姿勢**が、BPSDへの適切な対応の基本である。バリデーション療法の考え方とも一致する。
---
【試験対策ポイント】
認知症のBPSD対応原則:**否定しない・叱責しない・制止より共感**。「なぜその行動をするのか」という視点が重要。バリデーション療法では感情・ニーズに寄り添うことを基本とする。**「理由を尋ねる=本人の視点に立つ」**が正解の根拠。