第50回 作業療法士国家試験 午後 第15問
作業療法治療学第50回午後
48歳の男性。アルコール依存症。30歳ころから仕事上のストレスにより飲酒量が増えてきた。40歳ころから遅刻や欠勤を繰り返すようになり2年前に会社をやめた。2か月前から連続飲酒状態となったため妻に付き添われて精神科を受診し、入院した。入院後2週経過し、離脱症状が落ち着いたため作業療法が開始された。この時期の作業療法で適切でないのはどれか。
1. 家族同伴で心理教育を行う。
2. 集団内で仲間意識を育てる。
3. 自助グループへの参加を促す。
4. プログラムでの頑張りを促す。
5. 退院後の生活について助言する。
- 1. 家族同伴で心理教育を行う。
- 2. 集団内で仲間意識を育てる。
- 3. 自助グループへの参加を促す。
- 4. プログラムでの頑張りを促す。 ✓
- 5. 退院後の生活について助言する。
正答:4番
解説
# 第50回 第B015問 解説
■ 正答:4番 — プログラムでの頑張りを促す。
アルコール依存症の回復初期(離脱症状が落ち着いた直後)において、過度な頑張りや達成を促すことは再飲酒のリスクを高める。この時期は安定した生活リズムの確立と仲間関係の形成が優先される。
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【各選択肢の解説】
1. 家族同伴で心理教育を行う。
✅ 適切。家族も依存症を理解し、回復を支援する体制を作ることは重要。
2. 集団内で仲間意識を育てる。
✅ 適切。同じ問題を持つ仲間との連帯感は回復の大きな支えとなる。
3. 自助グループへの参加を促す。
✅ 適切。AA(断酒会等)への参加は長期的断酒継続に有効であり、早期から動機づけを行うことは適切。
4. プログラムでの頑張りを促す。
❌ 不適切。アルコール依存症者は「頑張り屋」「完璧主義」の傾向があり、**過度な努力・達成感の追求がストレスとなり再飲酒につながる**。この時期は「ほどほど」の姿勢が重要。
5. 退院後の生活について助言する。
✅ 適切。退院後の生活環境・飲酒誘因の回避について早期から検討することは有益。
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【試験対策ポイント】
アルコール依存症の作業療法で禁忌的な指導:**「頑張れ」「もっとできる」という達成志向の促し**。依存症者の心理的特性(完璧主義・白黒思考)を理解した上で、**失敗を許容し過程を大切にする関わり**が基本。自助グループ(AA・断酒会)は離脱後早期から紹介することが推奨される。