第50回 作業療法士国家試験 午後 第17問
作業療法治療学第50回午後
24歳の女性。高校の授業で教科書を音読する際に声が震えて読めなくなり、それ以降、人前で発表することに恐怖感を抱くようになった。就職後、会議のたびに動悸や手の震え、発汗が生じるようになり、「変だと思われていないだろうか」、「声が出るだろうか」と強い不安を感じるようになった。最近になり「人の視線が怖い」、「会議に出席するのがつらい」と言うようになり、精神科を受診し外来作業療法が開始された。この患者に対する作業療法士の初期の対応で適切なのはどれか。
1. 会議準備を十分行うよう助言する。
2. 人前で発表する練習を取り入れる。
3. リラクセーションを指導する。
4. 集団作業療法を基本とする。
5. 体力の向上を促す。
- 1. 会議準備を十分行うよう助言する。
- 2. 人前で発表する練習を取り入れる。
- 3. リラクセーションを指導する。 ✓
- 4. 集団作業療法を基本とする。
- 5. 体力の向上を促す。
正答:3番
解説
# 第50回 第B017問 解説
■ 正答:3番 — リラクセーションを指導する。
社交不安障害の初期対応では、まず不安による身体症状(動悸・発汗・震え)を緩和するためのリラクセーション技法の習得が有効である。曝露療法など不安場面への直接的アプローチはその後の段階で行う。
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【各選択肢の解説】
1. 会議準備を十分行うよう助言する。
❌ 誤り。準備を増やすことは短期的な安心を与えるが、「準備が完璧でないと不安」という認知を強化しやすく、根本的解決にならない。
2. 人前で発表する練習を取り入れる。
❌ 誤り。曝露療法は有効だが、**初期段階で直接的な不安場面への曝露は時期尚早**。段階的に行う必要がある。
3. リラクセーションを指導する。
✅ 正しい。初期介入として、**漸進的筋弛緩法・腹式呼吸などのリラクセーション**により不安の身体症状をコントロールする技術を習得させることが適切。
4. 集団作業療法を基本とする。
❌ 誤り。社会的場面への強い恐怖がある初期段階で集団参加を強制することは逆効果になりやすい。
5. 体力の向上を促す。
❌ 誤り。本症例の問題は体力ではなく不安対処能力であり、的外れな介入。
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【試験対策ポイント】
社交不安障害の作業療法段階:**①リラクセーション習得→②認知的アプローチ→③段階的曝露(系統的脱感作)**。初期に曝露を急ぐことは症状悪化のリスクがある。「初期=リラクセーション」を押さえる。