第50回 作業療法士国家試験 午後 第18問
地域作業療法学第50回午後
82歳の女性。認知症。会社員の娘と認知症初期の夫との3人暮らしで、家族に介護されている。患者は興奮すると夫に暴言を吐き、物を投げつけ、不安が強くなると仕事中の娘に十数回電話する状況である。集団を嫌いデイサービスの利用は拒否していたため、訪問作業療法の指示が出た。まず行うべきなのはどれか。
1. 服薬指導
2. 家族への助言
3. 身体機能の維持
4. 趣味活動の拡大
5. 記憶障害の改善
- 1. 服薬指導
- 2. 家族への助言 ✓
- 3. 身体機能の維持
- 4. 趣味活動の拡大
- 5. 記憶障害の改善
正答:2番
解説
# 第50回 第B018問 解説
■ 正答:2番 — 家族への助言
訪問作業療法の初回であり、患者本人はデイサービスを拒否するなど外部サービスとの接点が少ない。介護者である夫(認知症初期)と娘が疲弊・困惑している状況であり、まず家族のケア負担軽減と対応方法の助言を優先すべきである。
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【各選択肢の解説】
1. 服薬指導
❌ 誤り。服薬管理は看護師・医師の役割が主であり、OTの初回訪問の最優先事項ではない。
2. 家族への助言
✅ 正しい。BPSD(暴言・物投げ・頻回電話)により家族が疲弊している。**介護者支援・対応方法の助言**が最優先。家族が適切に対応できるようになることが患者の安定にもつながる。
3. 身体機能の維持
❌ 誤り。重要だが、家族が対応困難な状況での初回優先事項ではない。
4. 趣味活動の拡大
❌ 誤り。デイサービスも拒否している段階での趣味活動拡大は現実的でない。
5. 記憶障害の改善
❌ 誤り。認知症の記憶障害そのものの改善は現時点では困難であり、OTの目標として不適切。
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【試験対策ポイント】
訪問OTの初回介入では**「誰が最も困っているか」**を見極める。介護者(家族)が限界に近い場合、まず介護者支援を優先する。**介護者の負担軽減なしに患者の安定も得られない**という視点が重要。BPSDへの対応方法(環境調整・コミュニケーション法)を家族に伝えることが核心。