OTカコモン作業療法士国家試験 過去問・解説

第50回 作業療法士国家試験 午後 第32問

作業療法治療学第50回午後

第50回 作業療法士国家試験 午後 第32問(作業療法治療学)の正答は 5 です。ALSでは手指の筋力が低下し、細く重い道具は握り続けられない。

問題
疾患と用いられる自助具の組合せで正しいのはどれか。
  1. 1. 片麻痺 ―― ボタンエイド
  2. 2. Parkinson病 ―― BFO
  3. 3. 関節リウマチ ―― 起き上がりひも
  4. 4. 脊髄小脳変性症 ―― リーチャー
  5. 5. 筋萎縮性側索硬化症 ―― 軽量太柄スプーン ✓

正答:5番

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解説
■ 正答:5番 — 筋萎縮性側索硬化症 ―― 軽量太柄スプーン

ALSでは手指の筋力が低下し、細く重い道具は握り続けられない。柄を太くすると弱い力でも握りやすく、軽くすると持ち上げ続ける負担が減るので、軽量太柄スプーンが合う。他は自助具の目的と疾患の障害が合っていない。


【各選択肢の解説】

1. 片麻痺 ―― ボタンエイド
❌ 誤り。ボタンエイドは、指先でつまむ力や巧緻性が落ちた手で、ボタンを穴に通すのを補う道具である。片麻痺の片手での更衣で使われることもある。正しくは、本問の5つの組合せの中で、障害と道具の目的が最もよく合うのは5(筋萎縮性側索硬化症 ―― 軽量太柄スプーン)である。
2. Parkinson病 ―― BFO
❌ 誤り。BFO(balanced forearm orthosis)は上肢の重さを支えて、肩・肘の筋力が非常に弱い人の手を口元などへ動かしやすくする装具である。正しくは、頸髄損傷・ALS・筋ジストロフィーなど上肢近位の筋力が著しく低下した場合に使う。Parkinson病の上肢は筋力より無動・振戦が問題になる。
3. 関節リウマチ ―― 起き上がりひも
❌ 誤り。ひもを握って体を引き起こす動作は、手指・手関節に強い力をかけるので関節保護の原則に反する。正しくは、関節リウマチではベッドの背上げ機能などで手指の関節に負担をかけずに起き上がる。起き上がりひもは非麻痺側上肢で体を引き起こせる片麻痺などで使う。
4. 脊髄小脳変性症 ―― リーチャー
❌ 誤り。リーチャーは手の届かない所の物を取る道具で、先端を目標に合わせる協調性が必要になり、運動失調があると使いにくい。正しくは、リーチャーは関節リウマチや股関節の手術後など関節可動域の制限で手が届かない場合に使う。
5. 筋萎縮性側索硬化症 ―― 軽量太柄スプーン
✅ 正しい(=正答)。弱い握力でも保持でき、持ち上げる負担が少ないので、筋力低下が進む中で自力での食事を続けやすくする。

【試験対策ポイント】

自助具・装具補う障害主な対象
軽量太柄の道具握力・筋力低下ALS・関節リウマチ
ボタンエイド手指の巧緻性・つまみの低下つまみの弱い手・片手でのボタン留め
BFO上肢近位の筋力低下頸髄損傷・ALS・筋ジストロフィー
リーチャー関節可動域の制限関節リウマチ・股関節術後
起き上がりひも非麻痺側上肢で引き起こす片麻痺

自助具は疾患名でなく「何の障害を補うか」で選ぶ。

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