第51回 作業療法士国家試験 午前 第10問
地域作業療法学第51回午前
25歳の女性。脊髄完全損傷(第5胸髄節まで機能残存)。車椅子(寸法:全長85cm、全幅55cm、前座高42cm)での自立生活に向けて図のように住宅改修を行った。考えられる問題点はどれか。\n1. ①のエレベーターに乗るとバックで出なければならない。\n2. ②の玄関スロープを上ることができない。\n3. ③のトイレに入った後で扉を閉めることができない。\n4. ④の洗体台が高く移乗できない。\n5. ⑤の車椅子用台所シンクに対面できない。
- 1. ①のエレベーターに乗るとバックで出なければならない。
- 2. ②の玄関スロープを上ることができない。
- 3. ③のトイレに入った後で扉を閉めることができない。 ✓
- 4. ④の洗体台が高く移乗できない。
- 5. ⑤の車椅子用台所シンクに対面できない。
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — ③のトイレに入った後で扉を閉めることができない。
T5(第5胸髄)完全損椎損傷患者は手指機能が保たれているため、適切に設計されたトイレであれば扉の開閉は可能です。しかし、この改修では車椅子幅55cmに対してトイレ空間が狭すぎると考えられ、入室後に後方から扉を引いて閉めるスペースが確保されていないことが問題点です。
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【各選択肢の解説】
1. ①のエレベーターに乗るとバックで出なければらない。
❌ 誤り。T5機能残存なら両上肢が完全に機能するため、エレベーター内で前方を向いたまま方向転換・操舵が可能です。むしろ適切な広さ(奥行き150cm以上)があれば支障ありません。
2. ②の玄関スロープを上ることができない。
❌ 誤り。一般的な車椅子用スロープの勾配は1/12~1/15が推奨され、T5患者の上肢機能なら登坂可能です。設問で「登ることができない」とする根拠がありません。
3. ③のトイレに入った後で扉を閉めることができない。
✅ 正しい。標準的な車椅子幅55cmがトイレ内に入った状態で、後方から扉を引いて閉めるためには最低でも奥行き160cm以上が必要です。狭いトイレでは扉を閉めるスペースが不足する典型的な問題です。
4. ④の洗体台が高く移乗できない。
❌ 誤り。T5患者は両上肢が機能し、体幹バランスも部分的に保たれているため、適切な高さ(40~45cm程度)の洗体台なら移乗可能です。高さの問題というより設計の問題です。
5. ⑤の車椅子用台所シンクに対面できない。
❌ 誤り。車椅子用シンクは下部空間が確保されているため、車椅子を直進させて対面できるように設計されています。T5患者なら支障ありません。
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【試験対策ポイント】
• トイレ改修の重要ポイント:扉の開閉スペース確保(奥行き160cm以上)が必須
• T5脊髄損傷:両上肢機能完全、手指把握・操作能力あり
• 車椅子動作スペース:入室後の扉操作には最低90~100cmの奥行きが必要