OTカコモン — 作業療法士国家試験 過去問・解説

第51回 作業療法士国家試験 午前 第16問

作業療法治療学第51回午前
37歳の女性。境界性パーソナリティ障害。高校卒業後、アルバイトをしていたが、気に入らないことがあると急に家出することを繰り返すため仕事は長続きしなかった。薬物療法と同時に外来作業療法が開始となった。作業療法の目的で適切なものはどれか。2つ選べ。\n1. 居場所をつくる。\n2. 情緒の安定を図る。\n3. 治療者への依存を促す。\n4. 衝動性の行動化を促す。\n5. 治療者への理想化を促す。
  1. 1. 居場所をつくる。 ✓
  2. 2. 情緒の安定を図る。 ✓
  3. 3. 治療者への依存を促す。
  4. 4. 衝動性の行動化を促す。
  5. 5. 治療者への理想化を促す。

正答:1・2番

解説
■ 正答:1番・2番 — 居場所をつくる。/情緒の安定を図る。 境界性パーソナリティ障害患者の外来作業療法は、安定した環境の中で対人関係を改善し、情動調整能力を養うことが重要です。作業を通じた「居場所」の確保と、継続的な活動による「情緒の安定化」がまさにこの患者の主要な治療目標となります。 --- 【各選択肢の解説】 1. 居場所をつくる。 ✅ 正しい。境界性パーソナリティ障害患者は対人関係が不安定で孤立しやすいため、安全な治療環境での「居場所」の提供は治療の基盤となります。 2. 情緒の安定を図る。 ✅ 正しい。作業への没頭と成就感により、気分変動や衝動性の軽減につながり、患者の情動調整能力の向上に直結する主要目標です。 3. 治療者への依存を促す。 ❌ 誤り。依存を促すことは患者の自立性を阻害し、治療目標に反します。むしろ健全な自立を支援する必要があります。 4. 衝動性の行動化を促す。 ❌ 誤り。本患者は衝動的な行動化(家出など)により機能障害が生じているため、これを促すことは治療方針に矛盾しています。 5. 治療者への理想化を促す。 ❌ 誤り。理想化は転移の一形態で、やがて過度な失望に転化しやすく、境界性パーソナリティ障害の対人関係不安定性を増悪させます。 --- 【試験対策ポイント】 ・境界性パーソナリティ障害:対人関係の不安定性・衝動性・感情の不安定性が特徴 ・作業療法の役割:依存促進ではなく「自立支援」「情動調整」「安定した環境提供」 ・治療的誤謬:転移の強化や衝動行動の容認は治療目標に反する
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