OTカコモン — 作業療法士国家試験 過去問・解説

第51回 作業療法士国家試験 午後 第15問

臨床心理学第51回午後
16歳の女子。6か月前から特にきっかけはないのに次第に手洗いと入浴の時間が長くなった。1か月前から手洗いに1時間半以上を使う状況となり、自分でもおかしいと感じるようになった。母親が途中でやめさせると余計に不安になり、最近ではやめさせようとすると反発して暴言を吐くようになった。そのため父親が本人を説得して精神科を受診した。作業療法中にたびたび手洗いを続けている。対応として最も適切なのはどれか。\n1. 手を汚す作業に参加を促す。\n2. 作業療法をしばらく中断する。\n3. なぜ手洗いをしてしまうのか話し合う。\n4. 手洗い行動を見守りながら作業復帰を待つ。\n5. 手洗い行動が出たときに水道の蛇口を閉める。
  1. 1. 手を汚す作業に参加を促す。
  2. 2. 作業療法をしばらく中断する。
  3. 3. なぜ手洗いをしてしまうのか話し合う。
  4. 4. 手洗い行動を見守りながら作業復帰を待つ。 ✓
  5. 5. 手洗い行動が出たときに水道の蛇口を閉める。

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — 手洗い行動を見守りながら作業復帰を待つ。 本症例は強迫性障害(OCD)であり、強制的に行動を中断・制限すると不安が増強し症状が悪化するため、認知行動療法の原則に基づき、行動への急激な介入を避けて段階的なアプローチが必要です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 手を汚す作業に参加を促す。 ❌ 誤り。強迫行動を制限・制御しようとすると不安が増強し、反発や症状悪化につながります。本症例の「やめさせると反発して暴言を吐く」という経過がこれを示しています。 2. 作業療法をしばらく中断する。 ❌ 誤り。治療からの回避はOCDの治療方針に反し、むしろ症状の強化と生活機能のさらなる低下をもたらします。 3. なぜ手洗いをしてしまうのか話し合う。 ❌ 誤り。強迫思考に焦点を当てた認知的アプローチだけでは不十分であり、認知行動療法では「曝露反応妨害法」で行動変容を優先します。 4. 手洗い行動を見守りながら作業復帰を待つ。 ✅ 正しい。強迫行動を受容しつつ、段階的に不安に曝露させ、自然な不安低減(馴化)を促す認知行動療法の原則に合致した対応です。 5. 手洗い行動が出たときに水道の蛇口を閉める。 ❌ 誤り。強迫行動を強制的に制限する対応は、不安増強と治療関係の悪化を招きます。 --- 【試験対策ポイント】 • 強迫性障害の治療は「曝露反応妨害法」(ERP)が標準治療 • 強迫行動への強制的介入は症状悪化の引き金となる • 作業療法では「見守り」と「段階的な作業復帰」が基本方針
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