OTカコモン — 作業療法士国家試験 過去問・解説

第51回 作業療法士国家試験 午後 第18問

臨床心理学第51回午後
16歳の女子。約6か月前から、壁に向かってぶつぶつと独りで話をしている。悪口が聞こえる、と周囲を怖がる様子がみられ、学校に行かず自宅に閉じこもることが多くなった。両親に説得されて病院を受診したが、自分は病気ではないと治療に抵抗するため、ACT〈Assertive Community Treatment〉による訪問が開始された。この患者に優先すべきなのはどれか。\n1. SSTを実施する。\n2. 復学に向けた検討を行う。\n3. 治療の必要性を納得させる。\n4. 集団心理教育プログラムを行う。\n5. 患者の興味を話題にして関係性を築く。
  1. 1. SSTを実施する。
  2. 2. 復学に向けた検討を行う。
  3. 3. 治療の必要性を納得させる。
  4. 4. 集団心理教育プログラムを行う。
  5. 5. 患者の興味を話題にして関係性を築く。 ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — 患者の興味を話題にして関係性を築く。 治療拒否の状態にある患者に対して、ACTの初期段階で最優先すべきは「治療的関係の構築」です。患者が病気を認識しておらず治療に抵抗している段階では、まず信頼関係を形成することが、その後の治療介入の基盤となります。 --- 【各選択肢の解説】 1. SSTを実施する。 ❌ 誤り。社会生活技能訓練は、患者が治療に同意し、ある程度の病識を持った段階で実施される介入です。現段階では時期尚早です。 2. 復学に向けた検討を行う。 ❌ 誤り。学校復帰は長期的な治療目標ですが、現在の急性期症状や治療拒否の状況では優先度が低く、患者の負担になる可能性があります。 3. 治療の必要性を納得させる。 ❌ 誤り。説得的アプローチは、治療拒否の強い患者ではしばしば抵抗を増強させます。段階的な関係構築を経てから、動機づけを高める方がより効果的です。 4. 集団心理教育プログラムを行う。 ❌ 誤り。心理教育は、患者が治療関係に入った後の介入であり、初期段階では不適切です。 5. 患者の興味を話題にして関係性を築く。 ✅ 正しい。ACTの基本原則は「アウトリーチと関係構築」です。治療拒否患者に対しては、患者のペースを尊重し、興味・関心を話題にすることで信頼関係を形成し、段階的に治療への動機づけを高める手法が有効です。 --- 【試験対策ポイント】 ・ACT(包括的地域精神保健ケア)の初期段階は「治療的関係の構築」が最優先 ・治療拒否患者への対応は説得的アプローチより「患者のペース尊重」が効果的 ・段階的介入:関係構築→動機づけ→治療→スキル訓練→社会復帰支援の順序
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