第51回 作業療法士国家試験 午後 第19問
臨床心理学第51回午後
32歳の女性。幼いころから落ち着きがなく、忘れ物も多かった。大学卒業後、医療事務の仕事に就いたが、仕事が忙しくなるとミスが多くなり、同僚にかんしゃくを起こすなど感情が不安定となった。仕事を休むことも多くなったため、職場の上司に勧められ、精神科を受診し、入院となった。2週後、情緒的に落ち着いたところで作業療法が開始された。この患者の作業療法で予測される行動はどれか。\n1. 読書に没頭する。\n2. 他者との接触を避ける。\n3. 他者の作業種目に目移りする。\n4. 物を置いた場所を何度も確認する。\n5. 自分の作品の出来栄えに固執する。
- 1. 読書に没頭する。
- 2. 他者との接触を避ける。
- 3. 他者の作業種目に目移りする。 ✓
- 4. 物を置いた場所を何度も確認する。
- 5. 自分の作品の出来栄えに固執する。
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 他者の作業種目に目移りする。
本患者はADHD(注意欠如・多動性障害)の特徴を示しており、注意散漫性と衝動性が中核症状です。作業療法場面では、これらの症状により他者の作業に気が散りやすく、自分の課題に集中できず頻繁に目移りする行動が予測されます。
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【各選択肢の解説】
1. 読書に没頭する。
❌ 誤り。ADHDの患者は注意散漫性が特徴であり、一つの活動に没頭することは困難です。
2. 他者との接触を避ける。
❌ 誤り。患者は感情不安定さを示していますが、対人関係からの回避を示唆する情報はありません。むしろ多動性により社会的相互作用は増加する傾向があります。
3. 他者の作業種目に目移りする。
✅ 正しい。ADHDの注意散漫性と衝動性により、周囲の刺激に容易に注意が向きやすく、自分の課題から目移りしやすい行動が予測されます。
4. 物を置いた場所を何度も確認する。
❌ 誤り。これは強迫症の強迫確認行為であり、本患者の診断とは合致しません。
5. 自分の作品の出来栄えに固執する。
❌ 誤り。ADHDの患者は完璧性よりも注意散漫性が主症状であり、作品の完成度への執着は見られにくいです。
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【試験対策ポイント】
・ADHD:注意散漫性・衝動性・多動性が中核症状
・作業療法場面での行動特性:注意転導しやすく、自分の課題から目移りしやすい
・強迫症との鑑別:確認行為や完璧性はADHDではなく強迫症の特徴