第52回 作業療法士国家試験 午前 第12問
リハビリテーション医学第52回午前
70歳の男性。右利き。右内頸動脈閉塞による左片麻痺のため回復期リハビリテーション病棟に入院中。意識清明。日用物品の使用に不便はないが、右側を向いていることが多く、左側の対象物への気付きが遅れることがある。物事には積極的に取り組む一方で、他者へ脈絡なくたびたび話しかけてしまう。この時期の患者の評価法として適切なのはどれか。2つ選べ。
1. Apathy scale
2. BIT
3. FAB
4. GATB
5. WAB
- 1. Apathy scale
- 2. BIT ✓
- 3. FAB ✓
- 4. GATB
- 5. WAB
正答:2・3番
解説
正答:2番、3番 — BIT、FAB
この患者は左片麻痺に加え、右側への注意偏倚(左無視)と脈絡のない対人行動という認知機能障害を呈しています。BITは左無視などの半側空間無視を評価し、FABは前頭葉機能(特に衝動性制御や社会的行動)を評価するため、この時期の患者評価に最適です。
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各選択肢の解説
1. Apathy scale
❌ 誤り。無動機・無関心の程度を評価するスケールですが、本患者は「物事に積極的に取り組む」と記載されており、無動機性ではなく前頭葉的脱抑制が問題です。
2. BIT
✅ 正しい。Behavioral Inattention Testで、半側空間無視や注意障害を評価します。「右側を向いていることが多く、左側への気付きが遅れる」という左無視の評価に適切です。
3. FAB
✅ 正しい。Frontal Assessment Batteryで、前頭葉機能(遂行機能、概念化、衝動制御など)を評価します。「他者へ脈絡なくたびたび話しかける」という脱抑制行動の評価に適切です。
4. GATB
❌ 誤り。General Aptitude Test Batteryで職業適性を評価する検査であり、神経心理学的評価としては適切ではありません。
5. WAB
❌ 誤り。Western Aphasia Batteryで失語症を評価する検査です。本患者は意識清明で失語の記載がなく、主訴ではありません。
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試験対策ポイント
・BIT:半側空間無視・注意障害の評価
・FAB:前頭葉機能(脱抑制、遂行機能)の評価
・右内頸動脈閉塞→左脳損傷→左片麻痺+認知機能障害という患者背景の把握が重要