OTカコモン — 作業療法士国家試験 過去問・解説

第52回 作業療法士国家試験 午前 第18問

精神障害作業療法第52回午前
57歳の女性。夫と寝たきりの母親との3人暮らし。編み物を趣味としていた。患者は手の抜けない真面目な性格で、介護が2年続いたころから「体が動かない。死んでしまいたい」と寝込むようになった。夫に連れられ精神科病院を受診し入院。1か月後に作業療法が導入となった。しかし、作業療法士に「母のことが気になるんです。ここにいる自分が情けない」と訴えた。この患者への対応として適切なのはどれか。 1. 主治医に早期の退院を提案する。 2. 他の患者をお世話する役割を提供する。 3. 趣味の編み物をしてみるよう提案する。 4. 休むことも大切であることを説明する。 5. 他の患者との会話による気晴らしを促す。
  1. 1. 主治医に早期の退院を提案する。
  2. 2. 他の患者をお世話する役割を提供する。
  3. 3. 趣味の編み物をしてみるよう提案する。
  4. 4. 休むことも大切であることを説明する。 ✓
  5. 5. 他の患者との会話による気晴らしを促す。

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — 休むことも大切であることを説明する。 この患者は介護疲労と罪悪感から抑うつ状態に陥っており、現在進行形で休息が必要な状態です。作業療法士の役割は、患者の心理的負担を軽減し、休息の重要性を認識させることで、自己否定感を緩和することです。 --- 【各選択肢の解説】 1. 主治医に早期の退院を提案する。 ❌ 誤り。抑うつ症状が寝たきり状態にあり、入院1か月という早期段階では退院時期ではありません。医学的判断は医師に委ねるべきです。 2. 他の患者をお世話する役割を提供する。 ❌ 誤り。患者は既に「手の抜けない真面目な性格」で、母親の介護負担から抑うつに陥った状況です。さらに役割を与えることは負担を増加させ、悪化のリスクがあります。 3. 趣味の編み物をしてみるよう提案する。 ❌ 誤り。活動の強制は、現在の心理状態では「すべきこと」と感じられ、さらなる罪悪感につながる可能性があります。時機尚早です。 4. 休むことも大切であることを説明する。 ✅ 正しい。患者は自責感が強く「ここにいる自分が情けない」と述べています。作業療法士は患者の心理的支持を行い、休息が治療であることを理解させることが治療的対応です。 5. 他の患者との会話による気晴らしを促す。 ❌ 誤り。気晴らしによる対処療法的アプローチより、まず患者の内的葛藤(罪悪感)への心理的支援が優先です。 --- 【試験対策ポイント】 ・介護負担による抑うつ→心理的支持と休息の正当化が優先 ・「真面目」「情けない」など自責感の強い患者への過度な活動提供は禁忌 ・OT初期段階での対応は活動より心理的ケアを重視
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