第52回 作業療法士国家試験 午前 第19問
人間発達学第52回午前
7歳の男児。幼児期から落ち着きがなく、他の子供から遊具を取り上げる、列に並べない、座って待てないことが多かった。小学校入学後も、周囲の生徒の文房具を勝手に使う、課題に集中せず席を離れるなどが頻繁にみられていた。自宅でも落ち着きがなく、母親が注意すると興奮する状況であった。この男児について作業療法士が担当教員から相談を受けることになった。担当教員への助言内容として適切なのはどれか。
1. 注意・叱責は強く行う。
2. 男児の席を教室の中心に設ける。
3. 望ましい行動が生じたら直ちに褒める。
4. 不得意なことは時間を要しても習得を目指す。
5. 集団生活に必要なルールを本人に詳しく説明する。
- 1. 注意・叱責は強く行う。
- 2. 男児の席を教室の中心に設ける。
- 3. 望ましい行動が生じたら直ちに褒める。 ✓
- 4. 不得意なことは時間を要しても習得を目指す。
- 5. 集団生活に必要なルールを本人に詳しく説明する。
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 望ましい行動が生じたら直ちに褒める。
ADHD(注意欠陥多動性障害)の特性を示す児童への支援では、ポジティブな行動強化が最も効果的です。望ましい行動を即座に褒めることで、児童は行動と結果の関連性を認識しやすくなり、適応的な行動の形成につながります。
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【各選択肢の解説】
1. 注意・叱責は強く行う。
❌ 誤り。強い叱責は児童の興奮・反発を招き、問題行動を悪化させる傾向があります。ADHD児には冷静で一貫した対応が必要です。
2. 男児の席を教室の中心に設ける。
❌ 誤り。刺激が多い中心部は注意散漫を招きやすいため、むしろ教室の前方や端部など、気が散りにくい位置が適切です。
3. 望ましい行動が生じたら直ちに褒める。
✅ 正しい。即時の正の強化は行動修正に最も効果的で、ADHD児の自己肯定感向上と行動改善につながります。
4. 不得意なことは時間を要しても習得を目指す。
❌ 誤り。成功体験を重視すべき児童にとって、苦手な課題の強制は挫折感と問題行動を増加させます。得意分野からの段階的支援が適切です。
5. 集団生活に必要なルールを本人に詳しく説明する。
❌ 誤り。ADHD児は長時間の説明の理解・記憶が困難です。ルール説明は簡潔に、視覚的支援と繰り返しの強化が有効です。
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【試験対策ポイント】
• ADHD児への支援=ポジティブな行動強化と即時フィードバック
• 強い叱責は逆効果、冷静で一貫した対応が基本
• 環境設定は刺激低減(座席配置は教室前方または端部)