第52回 作業療法士国家試験 午後 第4問
臨床医学第52回午後
67歳の男性。Lewy小体型認知症。退職しているにもかかわらず時々会社に行こうとするが、説明をすると納得する。「子供が部屋の中にいる」と訴えることが増えた。日常の動作は緩慢となり、歩行も困難になったため入院した。この患者に対する作業療法の際に適切なのはどれか。
1. 幻視の訴えを正す。
2. 身体の活動量を減らす。
3. リズムのある反復動作は避ける。
4. 転倒しやすいことを本人に伝える。
5. 過覚醒を防ぐために照明を暗くする。
- 1. 幻視の訴えを正す。
- 2. 身体の活動量を減らす。
- 3. リズムのある反復動作は避ける。
- 4. 転倒しやすいことを本人に伝える。 ✓
- 5. 過覚醒を防ぐために照明を暗くする。
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 転倒しやすいことを本人に伝える。
Lewy小体型認知症は幻視、パーキンソン症状、認知機能低下を特徴とし、本症例では歩行困難と動作緩慢があるため転倒リスクが高い。安全教育として転倒リスクを本人に認識させることは適切な作業療法アプローチです。
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【各選択肢の解説】
1. 幻視の訴えを正す。
❌ 誤り。Lewy小体型認知症の幻視は本人にとって現実であり、否定や訂正は不安と混乱を招きます。幻視そのものではなく、その時の感情を受け止める対応が適切です。
2. 身体の活動量を減らす。
❌ 誤り。むしろ適切な身体活動は筋力維持、転倒予防、認知機能維持に効果的です。活動量低下は廃用症候群を招きます。
3. リズムのある反復動作は避ける。
❌ 誤り。リズムのある反復動作(音楽療法、リズム運動など)はLewy小体型認知症患者にとって有効な介入で、運動機能とBPSD改善を期待できます。
4. 転倒しやすいことを本人に伝える。
✅ 正しい。歩行困難とパーキンソン症状がある本症例は転倒リスクが高く、本人が危険性を認識することで自己防護行動が促進され、安全な療法が実現できます。
5. 過覚醒を防ぐために照明を暗くする。
❌ 誤り。暗い環境は幻視を増強させ、転倒リスクも高まります。むしろ適切な採光で環境を明るく保つことが、幻視軽減と安全性向上につながります。
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【試験対策ポイント】
• Lewy小体型認知症:幻視は否定ではなく受容的対応が原則
• パーキンソン症状(歩行困難・動作緩慢)は転倒リスク↑
• 環境設定:充分な照明で幻視軽減・転倒予防