第52回 作業療法士国家試験 午後 第16問
リハビリテーション医学第52回午後
55歳の男性。アルコール依存症に肝機能障害を合併。仕事上のトラブルから連続飲酒状態となり入院治療に至った。退院後、依存症専門デイケアを利用することになったが、少し位なら飲んでも大丈夫と思っている様子であった。妻同伴で担当作業療法士と面接を行った際に再発予防のための助言を受けることとなった。作業療法士の対応として最も適切なのはどれか。
1. 断酒の意志の弱さを患者に指摘する。
2. 飲みたい場合は少量にとどめるよう患者に勧める。
3. 患者の飲酒状況を把握してもらうよう妻に依頼する。
4. 体力回復を促すため患者の食事管理を妻に依頼する。
5. Alcoholics Anonymous〈A. A.〉への参加を患者に勧める。
- 1. 断酒の意志の弱さを患者に指摘する。
- 2. 飲みたい場合は少量にとどめるよう患者に勧める。
- 3. 患者の飲酒状況を把握してもらうよう妻に依頼する。
- 4. 体力回復を促すため患者の食事管理を妻に依頼する。
- 5. Alcoholics Anonymous〈A. A.〉への参加を患者に勧める。 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — Alcoholics Anonymous〈A.A.〉への参加を患者に勧める。
アルコール依存症の再発予防には、同じ問題を抱える者同士の相互支援が有効であり、A.A.への参加は国際的なエビデンスに基づいた標準的な支援方法です。患者本人の主体的な行動変容を促すアプローチが最も適切です。
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【各選択肢の解説】
1. 断酒の意志の弱さを患者に指摘する。
❌ 誤り。非難的・批判的態度は治療的関係を損ない、患者の防衛機制を高めるため逆効果となります。
2. 飲みたい場合は少量にとどめるよう患者に勧める。
❌ 誤り。アルコール依存症は「コントロール飲酒」が困難な疾患であり、「少量なら大丈夫」という認知の歪みに乗じた危険な勧めです。完全な断酒が治療原則です。
3. 患者の飲酒状況を把握してもらうよう妻に依頼する。
❌ 誤り。妻への監視役依頼は依存症患者の主体性を奪い、家族関係に葛藤をもたらす可能性があります。患者本人の自己管理能力の発展を阻害します。
4. 体力回復を促すため患者の食事管理を妻に依頼する。
❌ 誤り。食事管理自体は重要ですが、この場面での優先課題は「再発予防」であり、関連性が薄い対応です。
5. Alcoholics Anonymous〈A.A.〉への参加を患者に勧める。
✅ 正しい。同一疾患を持つ者による12段階プログラムは依存症治療の国際標準であり、患者の主体的行動変容と長期回復を支援します。
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【試験対策ポイント】
・アルコール依存症の治療原則:完全断酒(コントロール飲酒は不可能)
・A.A.、断酒会などの自助グループの活用が再発予防の重要な手段
・患者本人の主体性と意思決定の尊重が回復に不可欠