第52回 作業療法士国家試験 午後 第18問
人間発達学第52回午後
8歳の男児。小児自閉症と診断されている。言語発達の遅れがみられ、軽度の精神遅滞を合併している。小学校に入学した後、「先生が何を言っているか分からない」と訴えた。保護者も強く希望し、特別支援学校に転校した。この児とのコミュニケーションにおいて、作業療法士が最も留意すべきなのはどれか。
1. 一度に複数の指示をする。
2. 絵やカードを豊富に使い指示をする。
3. 言葉より表情の変化で意図を伝える。
4. 不適切な行動は時間をおいてから指摘する。
5. 個別にではなく集団の一員として声をかける。
- 1. 一度に複数の指示をする。
- 2. 絵やカードを豊富に使い指示をする。 ✓
- 3. 言葉より表情の変化で意図を伝える。
- 4. 不適切な行動は時間をおいてから指摘する。
- 5. 個別にではなく集団の一員として声をかける。
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 絵やカードを豊富に使い指示をする。
自閉症児の言語発達遅れに対して、視覚的支援(絵・カード)は理解を促進する最も有効な支援手段です。作業療法士は視覚情報を活用した構造化されたコミュニケーションを優先すべきです。
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【各選択肢の解説】
1. 一度に複数の指示をする。
❌ 誤り。言語発達遅れのある児童は情報処理能力が限定的であり、複数の指示は理解困難です。単一で具体的な指示が必要です。
2. 絵やカードを豊富に使い指示をする。
✅ 正しい。自閉症児は視覚情報の処理が相対的に優位であり、視覚支援(PEC、絵カード、図解)により理解が向上します。
3. 言葉より表情の変化で意図を伝える。
❌ 誤り。自閉症児は社会的シグナル(表情読取)が苦手な特性があります。表情だけでは意図伝達が困難です。
4. 不適切な行動は時間をおいてから指摘する。
❌ 誤り。行動修正は因果関係が明確な時点(直後)に行う必要があります。時間をおくと関連性が不明瞭になります。
5. 個別にではなく集団の一員として声をかける。
❌ 誤り。言語理解が困難な児童には、個別での具体的な対応が必須です。集団指示では取り残される可能性があります。
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【試験対策ポイント】
• 自閉症の視覚優位性:言語理解より視覚情報処理が相対的に優位
• 視覚支援ツール:絵カード、PEC、スケジュール表、社会的物語など
• 単一・具体的・即時の指示が原則(複数指示・抽象的指示は避ける)