第52回 作業療法士国家試験 午後 第19問
臨床医学第52回午後
79歳の女性。Alzheimer型認知症。趣味の詩吟や洋裁をして過ごしていたが、75歳ごろから物忘れが目立ち始めた。最近、夫が入院して独居となったが、洋裁や家事ができなくなり自信を喪失して介護老人保健施設に入所となった。HDS-R 10点で、日付、減算、遅延再生および野菜の想起に失点を認めた。問題行動は特に認めない。この患者に対する自己効力感の向上を目的とした作業療法導入時の作業として適切なのはどれか。
1. 詩吟
2. 洋裁
3. 計算ドリル
4. 献立づくり
5. 立体パズル
- 1. 詩吟 ✓
- 2. 洋裁
- 3. 計算ドリル
- 4. 献立づくり
- 5. 立体パズル
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 詩吟
自己効力感の向上には、患者が「できる」という成功体験が必須です。本患者は詩吟が趣味で、認知機能低下の影響が比較的少ない領域であり、実行可能性が高いため、成功体験と自信の回復につながります。
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【各選択肢の解説】
1. 詩吟
✅ 正しい。患者の既存趣味であり、認知機能低下の影響が小さい領域です。導入初期段階での成功体験を得やすく、自己効力感向上に最適な作業です。
2. 洋裁
❌ 誤り。以前できていた作業ですが、手指機能・集中力・複数工程の遂行が必要で、認知機能低下により失敗経験につながりやすく、導入初期には不適切です。
3. 計算ドリル
❌ 誤り。HDS-Rで減算に失点していることから、計算能力が低下しており、困難課題となって失敗経験を強化してしまいます。
4. 献立づくり
❌ 誤り。野菜の想起に失点していること、複数の認知課題が必要であることから、認知負荷が高く不適切です。
5. 立体パズル
❌ 誤り。視空間認識や問題解決能力が必要で、認知機能低下患者には困難課題となりやすく、失敗経験につながります。
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【試験対策ポイント】
・自己効力感向上→「成功体験」が最優先、既存の得意分野・趣味が有効
・認知症患者への導入作業→失敗を避け、実行可能な課題から開始
・HDS-R失点項目(減算、想起困難)→その領域の課題は避けるべき