第52回 作業療法士国家試験 午後 第46問
臨床心理学第52回午後
境界性パーソナリティ障害の患者に対する作業療法で正しいのはどれか。2つ選べ。
1. 退行を許容する。
2. 集団作業への参加を促す。
3. 柔軟な枠組みを提供する。
4. 攻撃衝動の適応的発散を促す。
5. 主観的な苦悩を共感的に理解する。
- 1. 退行を許容する。
- 2. 集団作業への参加を促す。
- 3. 柔軟な枠組みを提供する。
- 4. 攻撃衝動の適応的発散を促す。 ✓
- 5. 主観的な苦悩を共感的に理解する。 ✓
正答:4・5番
解説
■ 正答:4番・5番 — 攻撃衝動の適応的発散を促す。/主観的な苦悩を共感的に理解する。
境界性パーソナリティ障害(BPD)は感情調整の困難、対人関係の不安定性、衝動性が特徴です。作業療法では衝動的行動の健全な発散方法を提供し、患者の感情や苦悩を受け入れる姿勢が治療の基盤となります。
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【各選択肢の解説】
1. 退行を許容する。
❌ 誤り。退行を許容すると依存性が強化され、自立への動機づけが低下します。BPD患者には段階的な成長を促す環境が必要です。
2. 集団作業への参加を促す。
❌ 誤り。BPD患者は対人関係の不安定性と見捨てられ感への恐怖が強いため、集団環境は対人葛藤やストレスを増加させる可能性があります。個別または小集団での関わりから開始するべきです。
3. 柔軟な枠組みを提供する。
❌ 誤り。柔軟すぎる枠組みはBPD患者に混乱や不安をもたらします。むしろ一貫性のある明確な構造と予測可能な環境が、安心感と信頼関係の構築につながります。
4. 攻撃衝動の適応的発散を促す。
✅ 正しい。BPD患者は衝動性が高く、感情爆発や自傷行為のリスクがあります。陶芸やパンチングバッグなど、攻撃衝動を安全かつ健全に表現できる作業を提供することが重要です。
5. 主観的な苦悩を共感的に理解する。
✅ 正しい。BPD患者は感情的苦悩が深く、被拒絶感が強いため、セラピストの共感的理解と受容が信頼関係の基盤となり、治療の効果を高めます。
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【試験対策ポイント】
- 境界性パーソナリティ障害:感情調整困難、対人関係不安定、衝動性が3大特徴
- 治療環境:明確な構造と枠組み、一貫した対応、共感的態度が必須
- 衝動性への対応:攻撃衝動の適応的発散を重視