OTカコモン作業療法士国家試験 過去問・解説

第53回 作業療法士国家試験 午前 第9問

発達障害作業療法第53回午前

第53回 作業療法士国家試験 午前 第9問(発達障害作業療法)の正答は 5 です。図は脳性麻痺痙直型両麻痺の7歳男児が床上を前方へ移動する様子を示している。

問題
7歳の男児。脳性麻痺の痙直型両麻痺。GMFCSレベルⅢ。床上を前方へ移動する様子(別冊No. 4)を別に示す。考えられる状態はどれか。
第53回午前第9問 図
  1. 1. 頭部保持能力の低下
  2. 2. 両側上肢の支持能力の低下
  3. 3. 下部体幹の支持能力の低下
  4. 4. 両側肩甲帯周囲筋の筋緊張低下
  5. 5. 左右股関節の交互分離運動能力の低下

正答:5番

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解説
■ 正答:5番 — 左右股関節の交互分離運動能力の低下

図は脳性麻痺痙直型両麻痺の7歳男児が床上を前方へ移動する様子を示している。通常のハイハイ(四つ這い)ではなく、両下肢を揃えたまま引き寄せながら「兎跳び様」または「バニーホッピング」の動作で前進している様子が確認できる。この動作パターンは左右の股関節を交互に動かす分離運動が困難であることを示している。


【各選択肢の解説】

1. 頭部保持能力の低下
❌ 誤り。図では頭部はしっかり挙上されており、頭部保持能力の著明な低下は見られない。GMFCSレベルⅢは歩行補助具使用で歩行可能なレベルであり、頭部保持は保たれている。
2. 両側上肢の支持能力の低下
❌ 誤り。図では両上肢で床を支持しながら前進しており、上肢支持能力は保たれていると判断できる。
3. 下部体幹の支持能力の低下
❌ 誤り。図の動作パターンは体幹支持の問題ではなく、下肢の交互分離運動の問題を反映している。
4. 両側肩甲帯周囲筋の筋緊張低下
❌ 誤り。痙直型両麻痺では肩甲帯周囲筋の筋緊張低下ではなく、主に下肢の痙縮が問題となる。上肢は比較的保たれているか軽度障害にとどまることが多い。
5. 左右股関節の交互分離運動能力の低下
✅ 正しい。バニーホッピング様動作(両下肢を同時に引き寄せて前進)は、左右股関節の交互かつ分離的な運動(reciprocal movement)が困難であることを示す。痙直型両麻痺では股関節周囲の痙縮・協調運動障害により、交互の分離運動が阻害される。

【試験対策ポイント】

GMFCSレベルⅢ:歩行補助具(クラッチ・ウォーカー等)を使用して屋内外歩行が可能。段差や長距離では車椅子使用。

バニーホッピングの意義

  • 両下肢を揃えて同時に引き寄せる床上移動
  • 左右股関節の交互分離運動の障害を示す
  • 痙直型両麻痺に特徴的な代償動作
正常四つ這いとバニーホッピングの違いを視覚的に区別できるようにしておくこと。


✍️ この解説の作成・点検

ST-Toolbox編集部(リハビリテーション領域の国家資格を持つ現役専門職が運営)が、作業療法士領域の有資格者の知見と標準的な教科書・ガイドラインに基づいて作成・点検しています。解説の下書きにはAIを活用し、人が確認・点検したうえで公開しています。

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