OTカコモン — 作業療法士国家試験 過去問・解説

第53回 作業療法士国家試験 午前 第16問

臨床医学第53回午前
67歳の女性。認知症。2年前ごろから身だしなみに気を遣わずに出かけるようになった。次第に同じ食事メニューを繰り返し作る、日常会話で相手の言葉をオウム返しにする、買い物をしても代金を払わず、とがめられても気にしないといったことが多くなったため、家族に付き添われて精神科を受診し入院した。作業療法が開始された。この患者にみられる特徴はどれか。 1. 転倒しやすい。 2. 情動失禁がみられる。 3. 手続き記憶が損なわれる。 4. 時刻表的生活パターンがみられる。 5. 「部屋にヘビがいる」といった言動がある。
  1. 1. 転倒しやすい。
  2. 2. 情動失禁がみられる。
  3. 3. 手続き記憶が損なわれる。
  4. 4. 時刻表的生活パターンがみられる。 ✓
  5. 5. 「部屋にヘビがいる」といった言動がある。

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — 時刻表的生活パターンがみられる。 本症例は、同じ食事メニューを繰り返す、オウム返しなど常同行動と言語的反復が顕著であり、これらは前頭側頭型認知症(FTD)の特徴です。FTDでは脱抑制と常同性の行動異常が初期から著明に現れ、時刻表的生活パターン(同じ時間に同じ行動を繰り返す)がみられます。 --- 【各選択肢の解説】 1. 転倒しやすい。 ❌ 誤り。転倒しやすさは運動症状に関連し、パーキンソン病や進行性核上麻痺などで見られます。本症例は行動異常が主体です。 2. 情動失禁がみられる。 ❌ 誤り。情動失禁は感情のコントロール障害で、脳血管性認知症などで見られます。本症例は脱抑制と無関心が特徴です。 3. 手続き記憶が損なわれる。 ❌ 誤り。手続き記憶の障害は小脳や基底核病変で見られます。本症例は意味記憶より行動異常が前景です。 4. 時刻表的生活パターンがみられる。 ✅ 正しい。同じ内容を繰り返す行動、時間帯に規則的な同じ行動をする常同性は前頭側頭型認知症の典型的特徴です。 5. 「部屋にヘビがいる」といった言動がある。 ❌ 誤り。これは幻覚で、レビー小体型認知症やアルツハイマー病の進行期で見られます。本症例は幻覚より行動障害が主体です。 --- 【試験対策ポイント】 • 前頭側頭型認知症:常同行動、脱抑制、時刻表的パターン、早期の人格変化 • 行動異常(同じ食事、オウム返し、代金不払いで気にしない)が診断の鍵 • 各認知症の症状分布:FTD=行動、AD=記憶、DLB=幻覚
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