第53回 作業療法士国家試験 午前 第17問
精神障害作業療法第53回午前
28歳の女性。産後うつ病。育児休暇中である。元来、何事にも手を抜けない性格。出産から4か月経過したころから、子どもの成長が気になり始め、夫に不安をぶつけるようになった。次第に「母親失格」と言ってはふさぎ込むようになったため、夫に連れられて精神科を受診し入院となった。1か月半後、個別的作業療法が開始となったが、手芸中に「私は怠け者」とつぶやく様子がみられた。この患者に対する作業療法士の対応として適切なのはどれか。
1. 日記を取り入れる。
2. 育児の振り返りを行う。
3. 患者の不安な気持ちに寄り添う。
4. 家族の育児への協力方法について話し合う。
5. 性格による自己否定的考えについて話し合う。
- 1. 日記を取り入れる。
- 2. 育児の振り返りを行う。
- 3. 患者の不安な気持ちに寄り添う。 ✓
- 4. 家族の育児への協力方法について話し合う。
- 5. 性格による自己否定的考えについて話し合う。
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 患者の不安な気持ちに寄り添う。
産後うつ病で入院中の患者は、認知の歪み(「母親失格」「怠け者」)を示しており、まず感情面での支持と共感が必要な段階です。作業療法士は患者の不安や葛藤に寄り添うことで信頼関係を構築し、その後の治療的介入につなげることが重要です。
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【各選択肢の解説】
1. 日記を取り入れる。
❌ 誤り。日記は認知行動療法的アプローチですが、現在の患者は感情的サポートが優先される段階であり、構造化された課題は適切ではありません。
2. 育児の振り返りを行う。
❌ 誤り。育児ストレスが主要な問題であり、振り返りにより自己批判が強化される危険性があります。現段階では逆効果になりやすいです。
3. 患者の不安な気持ちに寄り添う。
✅ 正しい。産後うつ病の患者に必要なのは共感と情動的サポートです。不安や自己否定感に寄り添うことが治療的関係の基盤となります。
4. 家族の育児への協力方法について話し合う。
❌ 誤り。家族支援は重要ですが、患者本人の感情的安定が前提となります。現段階では患者中心のアプローチが優先です。
5. 性格による自己否定的考えについて話し合う。
❌ 誤り。認知的アプローチは有効ですが、急性期の感情的混乱がある患者には時期尚早です。関係構築後の段階で有効です。
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【試験対策ポイント】
・産後うつ病の急性期は共感と傾聴が優先
・患者の感情的安定→認知的介入の段階的進行
・精神科作業療法では関係構築が治療基盤