第53回 作業療法士国家試験 午後 第2問
臨床医学第53回午後
第53回 作業療法士国家試験 午後 第2問(臨床医学)の正答は 1・3・5 です。図の測定のうち、1・3・5は関節可動域表示ならびに測定法(日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会、出題時の1995年版)の基本軸・移動軸・測定肢位に合っており、公式の正答ではこのうちどの2つの組合せも正解とされている。
問題
関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1. 肩甲帯下制 ✓
- 2. 肩関節外転
- 3. 肩関節内旋 ✓
- 4. 膝関節屈曲
- 5. 足関節背屈 ✓
正答:1と3/1と5/3と5 のいずれか
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この問題の正答率(OTカコモン利用者の実データ)
初回正答率 25%参考値
12人の初回解答から算出(2026年10月21日時点)。母数が少ないため参考値です
同じ利用者の2回目以降の解答は除外しています(再挑戦を含めると正答率は実力より高く出るため)。国家試験の公式発表値ではなく、OTカコモンで実際に解かれた記録にもとづく数値です。
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解説
■ 正答:1・3番/1・5番/3・5番のいずれも正解 — 肩甲帯下制・肩関節内旋・足関節背屈から2つ
図の測定のうち、1・3・5は関節可動域表示ならびに測定法(日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会、出題時の1995年版)の基本軸・移動軸・測定肢位に合っており、公式の正答ではこのうちどの2つの組合せも正解とされている。2と4は測定肢位の注意を満たしていない。
【各選択肢の解説】
1. 肩甲帯下制
✅ 正しい。肩甲帯の挙上・引き下げ(下制)は背面から測り、基本軸は両側の肩峰を結ぶ線、移動軸は胸骨上縁と肩峰を結ぶ線とされる。図は背面から、水平の基本軸に対して肩峰側が下がる角度を測っている。参考可動域は引き下げ10°。
✅ 正しい。肩甲帯の挙上・引き下げ(下制)は背面から測り、基本軸は両側の肩峰を結ぶ線、移動軸は胸骨上縁と肩峰を結ぶ線とされる。図は背面から、水平の基本軸に対して肩峰側が下がる角度を測っている。参考可動域は引き下げ10°。
2. 肩関節外転
❌ 誤り。基本軸を肩峰を通る床への垂直線、移動軸を上腕骨とする当て方はよいが、外転では体幹の側屈が起こらないよう、90°以上では前腕を回外することが原則とされている。図は90°を超える範囲まで測っており、この範囲では前腕回外位をとることが測定の条件になる。2が誤りとされる要点はこの測定肢位の条件にある。正しくは、90°を超えたら前腕を回外して(上腕骨を外旋させて)挙上し、そのまま測る(参考可動域180°)。
❌ 誤り。基本軸を肩峰を通る床への垂直線、移動軸を上腕骨とする当て方はよいが、外転では体幹の側屈が起こらないよう、90°以上では前腕を回外することが原則とされている。図は90°を超える範囲まで測っており、この範囲では前腕回外位をとることが測定の条件になる。2が誤りとされる要点はこの測定肢位の条件にある。正しくは、90°を超えたら前腕を回外して(上腕骨を外旋させて)挙上し、そのまま測る(参考可動域180°)。
3. 肩関節内旋
✅ 正しい。図は背臥位で肩関節90°外転・肘関節90°屈曲位とし、基本軸を肘を通る前額面への垂直線(図の垂直の棒)、移動軸を尺骨として、前腕を足側へ倒す内旋を測っている。この肢位の内旋の参考可動域は70°。
✅ 正しい。図は背臥位で肩関節90°外転・肘関節90°屈曲位とし、基本軸を肘を通る前額面への垂直線(図の垂直の棒)、移動軸を尺骨として、前腕を足側へ倒す内旋を測っている。この肢位の内旋の参考可動域は70°。
4. 膝関節屈曲
❌ 誤り。図は腹臥位で股関節を伸展したまま膝を曲げている。股関節伸展位では二関節筋の大腿直筋が引き伸ばされ、膝の屈曲が制限される。正しくは股関節を屈曲位にして、基本軸を大腿骨、移動軸を腓骨(腓骨頭と外果を結ぶ線)として測る(参考可動域130°)。
❌ 誤り。図は腹臥位で股関節を伸展したまま膝を曲げている。股関節伸展位では二関節筋の大腿直筋が引き伸ばされ、膝の屈曲が制限される。正しくは股関節を屈曲位にして、基本軸を大腿骨、移動軸を腓骨(腓骨頭と外果を結ぶ線)として測る(参考可動域130°)。
5. 足関節背屈
✅ 正しい。背屈・底屈は膝関節を屈曲位にして測る。二関節筋の腓腹筋をゆるめ、その張力で背屈が制限されないようにするためである。図は膝を曲げ、基本軸を腓骨への垂直線、移動軸を第5中足骨として測っている。参考可動域は背屈20°。
✅ 正しい。背屈・底屈は膝関節を屈曲位にして測る。二関節筋の腓腹筋をゆるめ、その張力で背屈が制限されないようにするためである。図は膝を曲げ、基本軸を腓骨への垂直線、移動軸を第5中足骨として測っている。参考可動域は背屈20°。
【試験対策ポイント】
| 運動 | 基本軸 | 移動軸 | 測定上の注意 |
|---|---|---|---|
| 肩甲帯 引き下げ | 両側の肩峰を結ぶ線 | 胸骨上縁と肩峰を結ぶ線 | 背面から測る |
| 肩関節 外転 | 肩峰を通る床への垂直線 | 上腕骨 | 90°以上は前腕回外 |
| 肩関節 内旋(90°外転位) | 肘を通る前額面への垂直線 | 尺骨 | 肩90°外転・肘90°屈曲 |
| 膝関節 屈曲 | 大腿骨 | 腓骨 | 股関節屈曲位 |
| 足関節 背屈 | 腓骨への垂直線 | 第5中足骨 | 膝関節屈曲位 |
(日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会 関節可動域表示ならびに測定法 1995年版)
- 二関節筋(大腿直筋・腓腹筋)をゆるめる肢位で測るのが膝屈曲・足背屈の共通の考え方
- 2022年の改訂で足関節・足部の背屈・底屈の移動軸は足底面に変わった
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