第53回 作業療法士国家試験 午後 第6問
作業療法評価学第53回午後
21歳の男性。交通事故によるびまん性軸索損傷と診断された。意識は清明で運動麻痺はない。新しい物事を覚えるのが困難で記憶の障害が顕著である。この患者に対する適切なアプローチはどれか。
1. 毎日異なる課題を与える。
2. 記憶の外的補助手段を使う。
3. 試行錯誤が必要な課題を行う。
4. 複数の学習課題を同時に行う。
5. 日課は本人のペースで柔軟に変更する。
- 1. 毎日異なる課題を与える。
- 2. 記憶の外的補助手段を使う。 ✓
- 3. 試行錯誤が必要な課題を行う。
- 4. 複数の学習課題を同時に行う。
- 5. 日課は本人のペースで柔軟に変更する。
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 記憶の外的補助手段を使う。
びまん性軸索損傷による記憶障害患者には、障害された認知機能を補うための外的補助手段(メモ、手帳、アラーム、写真など)の活用が最も有効です。新しい情報の習得が困難な場合、外部からの支援により実生活での機能維持と社会復帰を促進できます。
---
【各選択肢の解説】
1. 毎日異なる課題を与える。
❌ 誤り。記憶障害が顕著な患者に異なる課題を提示すると、学習が定着しにくく混乱を招きます。
2. 記憶の外的補助手段を使う。
✅ 正しい。メモ帳、デジタル手帳、携帯アラーム等の外部装置により、低下した記憶機能を補償し日常生活の自立度を高められます。
3. 試行錯誤が必要な課題を行う。
❌ 誤り。試行錯誤型の課題は記憶障害が重度な場合、学習が非効率で患者のモチベーション低下につながります。
4. 複数の学習課題を同時に行う。
❌ 誤り。認知負荷が増加し、記憶障害がある患者の学習効果を著しく低下させます。
5. 日課は本人のペースで柔軟に変更する。
❌ 誤り。構造化された日課が重要です。頻繁な変更は見当識障害を助長し、不安感を増加させます。
---
【試験対策ポイント】
• びまん性軸索損傷→記憶・注意・遂行機能障害が主症状
• 外的補助手段(代償戦略)が認知障害対策の第一選択
• 日課構造化・環境調整が認知リハビリの基本原則