第53回 作業療法士国家試験 午後 第10問
発達障害作業療法第53回午後
第53回 作業療法士国家試験 午後 第10問(発達障害作業療法)の正答は 2 です。アテトーゼ型脳性麻痺・GMFCSレベルⅣ(自力移動困難、座位保持装置使用)では、ATNRによって頭部が右を向くと右上肢が伸展・左上肢が屈曲しやすく、右利きでの把持継続が困難になる。
問題
7歳の女児。アテトーゼ型脳性麻痺。GMFCSレベルⅣ。頭部は右を向きやすく、上肢はATNR様の姿勢をとる。利き手は右であるが物を持続的に把持する能力は低い。食事訓練場面では座位保持装置に座って肘当てと同じ高さのテーブルで、スプーンでの自力摂取を試みている。食事訓練における作業療法士の対応として適切なのはどれか。
- 1. BFOを利用する。
- 2. テーブルを補高する。 ✓
- 3. 皿をテーブルの右側に置く。
- 4. スプーンの柄が細いものを選ぶ。
- 5. 座位保持装置を床から60度の角度でティルティングする。
正答:2番
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解説
■ 正答:2番 — テーブルを補高する
アテトーゼ型脳性麻痺・GMFCSレベルⅣ(自力移動困難、座位保持装置使用)では、ATNRによって頭部が右を向くと右上肢が伸展・左上肢が屈曲しやすく、右利きでの把持継続が困難になる。肘当てと同じ高さのテーブルでは前腕支持が不十分であり、テーブルを補高して前腕・肘をより安定して支持することで、口元へのリーチが容易になる。
【各選択肢の解説】
1. BFOを利用する。
❌ 誤り。BFO(バランス型前腕支持装具)は重力に抗した上肢挙上が困難な筋力低下(頸髄損傷・筋ジストロフィー等)に用いるものであり、アテトーゼ型CPの不随意運動には適応が異なる。
❌ 誤り。BFO(バランス型前腕支持装具)は重力に抗した上肢挙上が困難な筋力低下(頸髄損傷・筋ジストロフィー等)に用いるものであり、アテトーゼ型CPの不随意運動には適応が異なる。
2. テーブルを補高する。
✅ 正しい。テーブルを補高することで前腕をテーブルに乗せやすくなり、安定した支持面が確保される。これにより不随意運動が軽減され、スプーン操作が容易になる。
✅ 正しい。テーブルを補高することで前腕をテーブルに乗せやすくなり、安定した支持面が確保される。これにより不随意運動が軽減され、スプーン操作が容易になる。
3. 皿をテーブルの右側に置く。
❌ 誤り。頭部が右を向きやすいATNR様姿勢では、右側の物体を見ようとするとさらに頭部が右回旋し、ATNRが強まる。皿は正中または左側に置く方が適切である。
❌ 誤り。頭部が右を向きやすいATNR様姿勢では、右側の物体を見ようとするとさらに頭部が右回旋し、ATNRが強まる。皿は正中または左側に置く方が適切である。
4. スプーンの柄が細いものを選ぶ。
❌ 誤り。持続的把持能力が低い患者に細柄のスプーンは把持困難を増大させる。太柄・グリップ付きのものが適切である。
❌ 誤り。持続的把持能力が低い患者に細柄のスプーンは把持困難を増大させる。太柄・グリップ付きのものが適切である。
5. 座位保持装置を床から60度の角度でティルティングする。
❌ 誤り。60度ティルティングは体幹を後傾させる姿勢であり、食事場面では誤嚥リスクが高まり不適切である。また食器・口元へのリーチも困難になる。
❌ 誤り。60度ティルティングは体幹を後傾させる姿勢であり、食事場面では誤嚥リスクが高まり不適切である。また食器・口元へのリーチも困難になる。
【試験対策ポイント】
ATNR(非対称性緊張性頸反射)の影響と対応
- 頭が右を向く→右上肢伸展・左上肢屈曲
- 右利きの場合、頭部正中位の保持が最優先
- テーブル補高で前腕支持を安定させることが不随意運動の影響を軽減する基本戦略
- 皿は頭部が向きにくい側(左)か正中に置く
- スプーンは太柄を選択(把持補助)
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