第53回 作業療法士国家試験 午後 第14問
作業療法評価学第53回午後
第53回 作業療法士国家試験 午後 第14問(作業療法評価学)の正答は 5 です。幼少期からの反社会的行動(喧嘩・暴力)、少年院・刑務所への入院・服役歴、他者への共感欠如、規則違反の繰り返し、問題を認識しない姿勢(病識の欠如)は、反社会性パーソナリティ障害(ASPD)の典型的な特徴に合致する。
問題
47歳の男性。幼少期からクラスメートとの喧嘩が絶えず、しばしば担任から注意を受けていた。中学校卒業後、暴行と傷害とで少年院に2回の入院歴、刑務所に4回の服役歴がある。最後の出所後、クリーニング工場に勤めたが、同僚への暴言によるトラブルをきっかけに飲酒量が増加し、飲食店で他の客と口論になって刃物を持ち出して逮捕された。その後、連続飲酒状態を繰り返すようになり、アルコール依存症と肝障害との診断を受けて入院した。作業療法では他の患者の発言に反応して威圧的な態度をとることが多く、指摘しても問題を感じている様子がない。合併するパーソナリティ障害として考えられるのはどれか。
- 1. 強迫性パーソナリティ障害
- 2. 境界性パーソナリティ障害
- 3. 回避性パーソナリティ障害
- 4. 自己愛性パーソナリティ障害
- 5. 反社会性パーソナリティ障害 ✓
正答:5番
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解説
■ 正答:5番 — 反社会性パーソナリティ障害
幼少期からの反社会的行動(喧嘩・暴力)、少年院・刑務所への入院・服役歴、他者への共感欠如、規則違反の繰り返し、問題を認識しない姿勢(病識の欠如)は、反社会性パーソナリティ障害(ASPD)の典型的な特徴に合致する。
【各選択肢の解説】
1. 強迫性パーソナリティ障害
❌ 誤り。几帳面・完全主義・秩序へのこだわりが特徴であり、今回の「他者への暴言・暴力・規則無視」とは一致しない。
❌ 誤り。几帳面・完全主義・秩序へのこだわりが特徴であり、今回の「他者への暴言・暴力・規則無視」とは一致しない。
2. 境界性パーソナリティ障害
❌ 誤り。感情の不安定性・見捨てられ不安・自傷行為が特徴だが、本事例は感情不安定よりも持続的な反社会的行動パターンが前景に立つ。
❌ 誤り。感情の不安定性・見捨てられ不安・自傷行為が特徴だが、本事例は感情不安定よりも持続的な反社会的行動パターンが前景に立つ。
3. 回避性パーソナリティ障害
❌ 誤り。拒絶への過敏・対人回避が特徴であり、積極的に攻撃的な本事例とは正反対の像である。
❌ 誤り。拒絶への過敏・対人回避が特徴であり、積極的に攻撃的な本事例とは正反対の像である。
4. 自己愛性パーソナリティ障害
❌ 誤り。誇大性・賞賛欲求・共感欠如が特徴だが、幼少期からの非行・服役・身体的暴力を伴う一貫したパターンは反社会性の方が適切である。
❌ 誤り。誇大性・賞賛欲求・共感欠如が特徴だが、幼少期からの非行・服役・身体的暴力を伴う一貫したパターンは反社会性の方が適切である。
5. 反社会性パーソナリティ障害
✅ 正しい。18歳以前からの行為障害の既往、他者の権利の無視・侵害、衝動性・攻撃性、無責任な行動パターン、良心の欠如の5点が揃っており、DSM-5の反社会性パーソナリティ障害の診断基準に合致する。
✅ 正しい。18歳以前からの行為障害の既往、他者の権利の無視・侵害、衝動性・攻撃性、無責任な行動パターン、良心の欠如の5点が揃っており、DSM-5の反社会性パーソナリティ障害の診断基準に合致する。
【試験対策ポイント】
パーソナリティ障害の鑑別(Cluster B)
| 疾患 | キーワード |
|---|---|
| 反社会性 | 幼少期から・暴力・服役・共感欠如・良心なし |
| 境界性 | 感情不安定・自傷・見捨てられ恐怖 |
| 演技性 | 注目欲求・感情的・誇張的 |
| 自己愛性 | 誇大性・賞賛欲求・共感欠如(暴力は少ない) |
「18歳以前の行為障害の既往が診断の必須条件」であることと、「アルコール依存症との合併が多い」点も国試頻出事項として押さえておく。
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