第53回 作業療法士国家試験 午後 第17問
精神障害作業療法第53回午後
第53回 作業療法士国家試験 午後 第17問(精神障害作業療法)の正答は 4 です。神経性過食症・自傷行為を抱える患者に対して、まず治療的関係の基盤となる「共感・関心の表明」が最優先である。
問題
21歳の女性。大学生で単身生活。日中は講義に出席しているが、帰宅すると過食と自己誘発性嘔吐に時間を費やし、睡眠時間がとれず、遅刻するなど日常生活に支障をきたしている。心配した母親に連れられて精神科を受診した。過食後の自己嫌悪感も強く、抗うつ薬を処方されたが、最近ではリストカットなどの自傷行為もみられるようになった。ある日作業療法室で本人が近況について報告をしてきた。そのときの作業療法士の本人への対応として最も適切なのはどれか。
- 1. 過食の理由を尋ねる。
- 2. 今後の自傷行為を禁じる。
- 3. 講義の出席状況を把握する。
- 4. 心配している気持ちを伝える。 ✓
- 5. 日々のスケジュール管理方法を指導する。
正答:4番
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解説
■ 正答:4番 — 心配している気持ちを伝える。
神経性過食症・自傷行為を抱える患者に対して、まず治療的関係の基盤となる「共感・関心の表明」が最優先である。指導・禁止・原因探索は患者を防衛的にさせ、関係を損なう恐れがある。
【各選択肢の解説】
1. 過食の理由を尋ねる。
❌ 誤り。関係が十分に形成される前の原因探索は患者を追い詰める。
❌ 誤り。関係が十分に形成される前の原因探索は患者を追い詰める。
2. 今後の自傷行為を禁じる。
❌ 誤り。禁止命令は自傷の背景にある感情を無視した対応であり、関係破綻の原因となる。
❌ 誤り。禁止命令は自傷の背景にある感情を無視した対応であり、関係破綻の原因となる。
3. 講義の出席状況を把握する。
❌ 誤り。情報収集が目的となり、患者の訴えに向き合っていない。
❌ 誤り。情報収集が目的となり、患者の訴えに向き合っていない。
4. 心配している気持ちを伝える。
✅ 正しい。支持的・共感的関係の構築が作業療法士として最初に行うべき対応。
✅ 正しい。支持的・共感的関係の構築が作業療法士として最初に行うべき対応。
5. 日々のスケジュール管理方法を指導する。
❌ 誤り。初期の作業療法面接では生活指導より関係形成が優先される。
❌ 誤り。初期の作業療法面接では生活指導より関係形成が優先される。
【試験対策ポイント】
- 摂食障害・自傷を抱える患者への初期対応:共感・安全な場の提供
- 自傷は「禁止」ではなく背景の苦痛への対処として捉える
- 「心配している」という感情開示(自己開示)は治療同盟形成に有効
- 情報収集・指導・禁止はいずれも関係形成の前に行うべきでない
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