第53回 作業療法士国家試験 午後 第18問
精神障害作業療法第53回午後
20歳の男性。幼少期は一人遊びが多かった。小学校から高校までは成績は概ね良かったものの、正論的発言が多い、融通が利かないなどによって集団になじめず、いじめを受けることも多かった。大学に入ると、講義科目は問題ないが、演習科目のグループワークで相手に配慮した発言がうまくできず、メンバーから避けられることが多くなった。大学2年生になると、過去のいじめ体験を思い出してパニックになることが増え、自宅の自室に引きこもる状態となったため、母親に連れられて精神科を受診し、外来で作業療法が開始された。この患者の作業療法で適切でないのはどれか。
1. ルールや取り決めを明示しておく。
2. 興味や関心のある活動を導入する。
3. 作業手順を言葉で細かく伝える。
4. 心理教育プログラムを行う。
5. パラレルな場を用いる。
- 1. ルールや取り決めを明示しておく。
- 2. 興味や関心のある活動を導入する。
- 3. 作業手順を言葉で細かく伝える。 ✓
- 4. 心理教育プログラムを行う。
- 5. パラレルな場を用いる。
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 作業手順を言葉で細かく伝える。
本患者は自閉スペクトラム症(ASD)の特性を示しており、言語的な細かい指示は過度な認知負荷となり、不安やパニックを増加させる可能性があります。むしろ視覚的支援や実演、段階的な導入が効果的です。
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【各選択肢の解説】
1. ルールや取り決めを明示しておく。
✅ 正しい。ASD特性を持つ者は明確なルールによって安心感が得られ、予測可能性が高まります。
2. 興味や関心のある活動を導入する。
✅ 正しい。強い関心分野への従事は動機付けを高め、対人場面への抵抗感を低減させます。
3. 作業手順を言葉で細かく伝える。
❌ 誤り。言語的過負荷は認知混乱を招きやすく、パニック症状を悪化させます。視覚的手順表やデモンストレーションが適切です。
4. 心理教育プログラムを行う。
✅ 正しい。過去のいじめ体験やパニック症状への対処方法を学び、自己理解を深めることは重要です。
5. パラレルな場を用いる。
✅ 正しい。対面的な相互作用の負荷が低いパラレルな場は、グループワークが困難な段階での導入に適しています。
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【試験対策ポイント】
・ASD患者への指示は「視覚的支援」が言語指示より効果的
・パニック障害と引きこもりの併存時は段階的な社会参加が必須
・パラレルな場→協働的場への段階的移行が重要