OTカコモン — 作業療法士国家試験 過去問・解説

第53回 作業療法士国家試験 午後 第19問

臨床医学第53回午後
67歳の女性。Alzheimer型認知症。HDS-Rは18点で特に見当識と遅延再生とに低下を認めた。自宅から一人で外出する際に迷って保護されることが多くなり、送迎によって通所リハビリテーションに通っている。作業療法では認知機能のリハビリテーションを実施している。記憶障害を踏まえた対応で最も適切なのはどれか。 1. 「訓練室に行きましょう」と声をかけて訓練室まで先導してもらう。 2. 家族写真を一緒に見ながら「この方は誰ですか」と尋ねる。 3. 作業療法の開始時に「私を覚えていますか」と尋ねる。 4. 「もう○月の○日ですね」と伝えて日付を確認する。 5. 「前回の作業療法では何をしましたか」と尋ねる。
  1. 1. 「訓練室に行きましょう」と声をかけて訓練室まで先導してもらう。
  2. 2. 家族写真を一緒に見ながら「この方は誰ですか」と尋ねる。
  3. 3. 作業療法の開始時に「私を覚えていますか」と尋ねる。
  4. 4. 「もう○月の○日ですね」と伝えて日付を確認する。 ✓
  5. 5. 「前回の作業療法では何をしましたか」と尋ねる。

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — 「もう○月の○日ですね」と伝えて日付を確認する。 Alzheimer型認知症で見当識と遅延再生が低下している患者への対応は、セラピストから情報提供し確認させる「見当識訓練」が有効です。日付を伝えることで、患者の見当識障害を補完しながら認知機能を刺激できます。 --- 【各選択肢の解説】 1. 「訓練室に行きましょう」と声をかけて訓練室まで先導してもらう。 ❌ 誤り。指示的な対応であり、患者の認知機能の改善や見当識の訓練につながらず、リハビリテーション効果が低い。 2. 家族写真を一緒に見ながら「この方は誰ですか」と尋ねる。 ❌ 誤り。患者に一方的に答えさせるだけで、失敗経験につながり、精神的負担が増加する。セラピストからの情報提供が不足している。 3. 作業療法の開始時に「私を覚えていますか」と尋ねる。 ❌ 誤り。セラピストとの関係性に関わる記憶を問うもので、健忘を自覚させ、患者の不安や失敗感を増やす可能性がある。 4. 「もう○月の○日ですね」と伝えて日付を確認する。 ✅ 正しい。セラピストから日付を提示し、患者に確認させることで見当識を補完しながら訓練できる。低下した見当識機能を支援する適切な認知リハビリテーション手法である。 5. 「前回の作業療法では何をしましたか」と尋ねる。 ❌ 誤り。遅延再生が低下しているため、患者が前回の内容を想起できず失敗経験となる。リハビリテーション効果が期待できない。 --- 【試験対策ポイント】 • 認知症のリハビリテーションは「セラピストから情報提供→患者が確認」のプロセスが基本 • 見当識障害には「現在の日時を伝える」、遅延再生障害には「想起を求めない」対応 • 患者に失敗経験や不安を与えない環境設定が重要
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