第53回 作業療法士国家試験 午後 第20問
臨床医学第53回午後
30歳の男性。統合失調症。3週前に工場で働き始めた。外来作業療法ではパソコンを使用した認知リハビリテーションを継続している。ある時、同じ作業療法に参加する2人の患者から同時に用事を頼まれ、混乱した様子で相談に来た。この患者の職場における行動で最もみられる可能性があるのはどれか。
1. 挨拶ができない。
2. 心気的な訴えが多い。
3. 体力がなく疲れやすい。
4. すぐに仕事に飽きてしまう。
5. 仕事の段取りがつけられない。
- 1. 挨拶ができない。
- 2. 心気的な訴えが多い。
- 3. 体力がなく疲れやすい。
- 4. すぐに仕事に飽きてしまう。
- 5. 仕事の段取りがつけられない。 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 仕事の段取りがつけられない。
統合失調症の認知機能障害、特に遂行機能障害により、複数の指示を同時に受けた際に優先順位をつけたり計画的に対応することが困難になります。本症例は同じ作業療法参加中に2人から同時に用事を頼まれて混乱した経験をしており、職場でも同様に段取りをつけられない可能性が高いです。
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【各選択肢の解説】
1. 挨拶ができない。
❌ 誤り。統合失調症で必ずしも挨拶ができなくなるわけではなく、むしろ対人関係の初期段階では形式的な対応は可能です。
2. 心気的な訴えが多い。
❌ 誤り。心気障害(身体症状への過度な懸念)は統合失調症よりも身体症状障害や不安障害で特徴的です。
3. 体力がなく疲れやすい。
❌ 誤り。統合失調症の一次的な症状ではなく、抗精神病薬の副作用や二次的な影響として生じることはありますが、本症例の「混乱」という提示情報と直結しません。
4. すぐに仕事に飽きてしまう。
❌ 誤り。飽きやすさは注意散漫とは異なり、統合失調症の認知障害の中心的特徴ではありません。
5. 仕事の段取りがつけられない。
✅ 正しい。統合失調症の遂行機能障害により、複数の指示への対応や優先順位付けが困難になり、職場で大きな支障をきたします。
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【試験対策ポイント】
・統合失調症の主要認知障害:遂行機能障害、注意障害、作業記憶の低下
・複数指示への対応困難は遂行機能障害の典型的な現れ
・職場復帰時は段取り支援・構造化が重要な支援方法