第54回 作業療法士国家試験 午前 第7問
身体障害作業療法第54回午前
第54回 作業療法士国家試験 午前 第7問(身体障害作業療法)の正答は 3 です。上腕二頭筋・三角筋が5、長短橈側手根伸筋が4で保たれ、上腕三頭筋・橈側手根屈筋・広背筋が0〜1である。
問題
20歳の男性。頸髄完全損傷。受傷3週後のDanielsらの徒手筋力テストにおける上肢の評価結果を示す。
| | 右 | 左 |
|大胸筋| 4 | 4 |
|三角筋| 5 | 5 |
|上腕二頭筋| 5 | 5 |
|上腕三頭筋| 0 | 1 |
|円回内筋| 0 | 1 |
|長短橈側手根伸筋| 4 | 4 |
|橈側手根屈筋| 0 | 1 |
|広背筋| 0 | 0 |
この患者が獲得する可能性の最も高いADLはどれか。
- 1. 床から車椅子へ移乗する。
- 2. 10cmの段差をキャスター上げをして昇る。
- 3. ベッド上背臥位からベッド柵を使用せずに寝返る。 ✓
- 4. ベッド端座位のプッシュアップで20cm殿部を持ち上げる。
- 5. 車椅子上、体幹前屈位からアームサポートに手をついて上半身を起こす。
正答:3番
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この問題の正答率(OTカコモン利用者の実データ)
初回正答率 28.6%参考値
21人の初回解答から算出(2026年10月21日時点)。母数が少ないため参考値です
同じ利用者の2回目以降の解答は除外しています(再挑戦を含めると正答率は実力より高く出るため)。国家試験の公式発表値ではなく、OTカコモンで実際に解かれた記録にもとづく数値です。
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解説
■ 正答:3番 — ベッド上背臥位からベッド柵を使用せずに寝返る。
上腕二頭筋・三角筋が5、長短橈側手根伸筋が4で保たれ、上腕三頭筋・橈側手根屈筋・広背筋が0〜1である。C6まで残存し、肘伸展(C7)が使えない機能像で、この残存で獲得できる可能性が最も高いのは寝返りである。
【各選択肢の解説】
1. 床から車椅子へ移乗する。
❌ 誤り。床から座面の高さまで体を持ち上げるには、肘伸展(上腕三頭筋)と肩の下制(広背筋)の強い力が必要で、どちらも0〜1である。正しくは、床と車椅子の間の移乗は上腕三頭筋・広背筋が十分に働くより下位の損傷で獲得される。
❌ 誤り。床から座面の高さまで体を持ち上げるには、肘伸展(上腕三頭筋)と肩の下制(広背筋)の強い力が必要で、どちらも0〜1である。正しくは、床と車椅子の間の移乗は上腕三頭筋・広背筋が十分に働くより下位の損傷で獲得される。
2. 10cmの段差をキャスター上げをして昇る。
❌ 誤り。キャスター上げはハンドリムを握って前後に素早く強く操作する必要があり、肘伸展と手指の握りが使えないこの患者では難しい。正しくは、段差昇降は上腕三頭筋が働き、ハンドリムを操作できる下位の損傷で獲得しやすい。
❌ 誤り。キャスター上げはハンドリムを握って前後に素早く強く操作する必要があり、肘伸展と手指の握りが使えないこの患者では難しい。正しくは、段差昇降は上腕三頭筋が働き、ハンドリムを操作できる下位の損傷で獲得しやすい。
3. ベッド上背臥位からベッド柵を使用せずに寝返る。
✅ 正しい(=正答)。三角筋・大胸筋・上腕二頭筋で両上肢を左右に大きく振り、その反動を体幹に伝えて寝返る方法がとれる。肘伸展の力がなくても行えるため、C6レベルで獲得が期待できる。
✅ 正しい(=正答)。三角筋・大胸筋・上腕二頭筋で両上肢を左右に大きく振り、その反動を体幹に伝えて寝返る方法がとれる。肘伸展の力がなくても行えるため、C6レベルで獲得が期待できる。
4. ベッド端座位のプッシュアップで20cm殿部を持ち上げる。
❌ 誤り。殿部を大きく持ち上げるプッシュアップは、肘伸展(上腕三頭筋)と肩甲骨下制(広背筋など)で体幹を押し上げる動作で、両筋とも0〜1である。正しくは、殿部を十分に挙上するプッシュアップは上腕三頭筋が働くC7以下で獲得しやすい。
❌ 誤り。殿部を大きく持ち上げるプッシュアップは、肘伸展(上腕三頭筋)と肩甲骨下制(広背筋など)で体幹を押し上げる動作で、両筋とも0〜1である。正しくは、殿部を十分に挙上するプッシュアップは上腕三頭筋が働くC7以下で獲得しやすい。
5. 車椅子上、体幹前屈位からアームサポートに手をついて上半身を起こす。
❌ 誤り。アームサポートに手をついて押し上げるには肘伸展(上腕三頭筋)が要る。正しくは、肘伸展の使えないC6レベルでは、片腕を車椅子のグリップなどに引っかけ、上腕二頭筋の肘屈曲で体を引き起こす方法をとる。
❌ 誤り。アームサポートに手をついて押し上げるには肘伸展(上腕三頭筋)が要る。正しくは、肘伸展の使えないC6レベルでは、片腕を車椅子のグリップなどに引っかけ、上腕二頭筋の肘屈曲で体を引き起こす方法をとる。
【試験対策ポイント】
| 筋 | 主な髄節 | この患者 |
|---|---|---|
| 三角筋・上腕二頭筋 | C5〜6 | 5 |
| 長短橈側手根伸筋 | C6 | 4 |
| 上腕三頭筋・橈側手根屈筋 | C7 | 0〜1 |
- C6とC7を分けるのは肘伸展(上腕三頭筋)。肘伸展がないと「押す」動作(プッシュアップ・押し上げ)ができず、「振る」「引っかけて引く」で代償する
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