第54回 作業療法士国家試験 午前 第14問
精神障害作業療法第54回午前
20歳の男性。1年浪人した後に大学に入学し親元を離れた。夏休みに帰省した時に独語や空笑が目立ち始め、バイクに乗って信号無視したところを警察に捕まった。事情聴取の中で「逃げないと殺される」といった支離滅裂な言動がみられたため、連絡を受けた両親に付き添われ精神科を受診し入院となった。入院から1か月後、幻聴と妄想が減弱したところで作業療法が開始となった。この時点での作業療法の役割で正しいのはどれか。
1. 自信の回復
2. 疲労度の調整
3. 達成感の獲得
4. 対人交流の拡大
5. 身辺処理能力の回復
- 1. 自信の回復
- 2. 疲労度の調整 ✓
- 3. 達成感の獲得
- 4. 対人交流の拡大
- 5. 身辺処理能力の回復
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 疲労度の調整
統合失調症の急性期を経て症状が軽減した回復期における作業療法では、患者の体力・精神的耐久性が低下しているため、無理のない範囲で活動を調整しながら社会復帰へ向けた基礎を整えることが優先される。疲労度の管理は、その後の段階的な作業療法へ移行するための重要な準備段階である。
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【各選択肢の解説】
1. 自信の回復
❌ 誤り。急性期の症状が軽減した直後では、自信回復は段階的な活動参加を通じて後から得られるものであり、この時点での主要目標ではない。
2. 疲労度の調整
✅ 正しい。回復期初期は心身の疲労が大きく、患者の耐性が限定的。作業強度を調整し徐々に活動耐性を高めることが、継続的なリハビリテーションの基盤になる。
3. 達成感の獲得
❌ 誤り。達成感は、基礎的な活動耐性が確保された後のより進んだ段階で期待される効果である。
4. 対人交流の拡大
❌ 誤り。この時点では個別作業や少人数での活動が適切であり、交流拡大は経過とともに段階的に進める。
5. 身辺処理能力の回復
❌ 誤り。入院期間を経ており、身辺処理の基本的能力は維持されている可能性が高く、この時点での主眼ではない。
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【試験対策ポイント】
• 統合失調症の回復期初期:疲労度調整と活動耐性向上が優先
• 段階的リハビリテーション:症状軽減後も心身の耐久性は低下したまま
• 作業療法の段階的目標:調整→自信→交流→社会復帰へと進展