第54回 作業療法士国家試験 午後 第7問
臨床医学第54回午後
63歳の女性。主婦。関節リウマチ。発症後半年が経過した。SteinbrockerのステージⅡ、クラス2。料理など家事全般を好み、熱心に行ってきた。立ち仕事が多く、最近膝痛が出現した。この患者に対する作業療法の留意点で適切なのはどれか。
1. 膝伸展固定装具を装着する。
2. 片手でフライパンを使うよう指導する。
3. 家事は一度にまとめて行うよう指導する。
4. 筋力強化は等尺性収縮運動を中心に行う。
5. 関節可動域訓練は最終域感を超えるようにする。
- 1. 膝伸展固定装具を装着する。
- 2. 片手でフライパンを使うよう指導する。
- 3. 家事は一度にまとめて行うよう指導する。
- 4. 筋力強化は等尺性収縮運動を中心に行う。 ✓
- 5. 関節可動域訓練は最終域感を超えるようにする。
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 筋力強化は等尺性収縮運動を中心に行う。
関節リウマチの患者では、関節への負担を最小限にしながら筋力を維持することが重要です。等尺性収縮運動は関節を動かさないため、炎症関節への直接的な負荷がなく、筋力維持に最適です。
---
【各選択肢の解説】
1. 膝伸展固定装具を装着する。
❌ 誤り。関節リウマチでは過度な固定により関節可動域制限が進行するため、適応は限定的です。膝痛時でも可動域を保つことが優先されます。
2. 片手でフライパンを使うよう指導する。
❌ 誤り。両手でフライパンを使うことで負担を分散でき、単一関節への過負荷を避けられます。片手使用は反対側の負担が増加します。
3. 家事は一度にまとめて行うよう指導する。
❌ 誤り。関節リウマチでは「関節保護の原則」に基づき、短時間の活動を分割して行う(分割活動)ことが推奨されます。一度にまとめると過度な疲労と炎症が生じます。
4. 筋力強化は等尺性収縮運動を中心に行う。
✅ 正しい。等尺性収縮は関節を動かさないため、炎症関節への負荷を最小化しながら筋力維持が可能です。関節リウマチの標準的なアプローチです。
5. 関節可動域訓練は最終域感を超えるようにする。
❌ 誤り。関節リウマチでは炎症や破壊のリスクがあるため、最終域感に達する前で止める必要があります。無理な伸張は組織損傷を招きます。
---
【試験対策ポイント】
• 関節リウマチの筋力強化:等尺性収縮運動が第一選択
• 関節保護の原則:短時間の分割活動、両手使用、関節への無理な力を避ける
• ROM訓練:最終域感内での実施、痛みを誘発しないことが基本