第54回 作業療法士国家試験 午後 第8問
臨床医学第54回午後
60歳の女性。視床出血発症後1か月。左片麻痺を認め、Brunnstrom法ステージは上肢Ⅱ、手指Ⅱ、下肢Ⅳである。左手指の発赤、腫脹および疼痛を認め、訓練に支障をきたしている。この患者に対する治療で正しいのはどれか。
1. 交代浴を行う。
2. 肩関節の安静を保つ。
3. 手指の可動域訓練は禁忌である。
4. 疼痛に対し手関節の固定装具を用いる。
5. 肩関節亜脱臼にはHippocrates法による整復を行う。
- 1. 交代浴を行う。 ✓
- 2. 肩関節の安静を保つ。
- 3. 手指の可動域訓練は禁忌である。
- 4. 疼痛に対し手関節の固定装具を用いる。
- 5. 肩関節亜脱臼にはHippocrates法による整復を行う。
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 交代浴を行う。
視床出血後の片麻痺患者に認められた手指の発赤、腫脹、疼痛はRSD(反射性交感神経性ジストロフィー)またはCRPS(複合局所疼痛症候群)と考えられ、交代浴は血流改善と疼痛軽減に有効な治療法です。
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【各選択肢の解説】
1. 交代浴を行う。
✅ 正しい。RSD/CRPSに対する標準的な物理療法で、温浴と冷浴を交互に行うことで血流改善、疼痛軽減、浮腫軽減が期待できます。
2. 肩関節の安静を保つ。
❌ 誤り。むしろ上肢Ⅱという低いステージでは適切な自動運動や受動運動が必要であり、過度な安静は拘縮や廃用性萎縮を招きます。
3. 手指の可動域訓練は禁忌である。
❌ 誤り。疼痛があっても慎重に段階的な可動域訓練を行うことは重要であり、完全な禁忌ではありません。
4. 疼痛に対し手関節の固定装具を用いる。
❌ 誤り。手関節固定は手指訓練の妨げになり、拘縮リスクが高まります。むしろ適切なポジショニングが優先されます。
5. 肩関節亜脱臼にはHippocrates法による整復を行う。
❌ 誤り。Hippocrates法は急性脱臼の整復法ですが、脳卒中患者の亜脱臼は徐々に進行するため、サポーター装着や適切なポジショニングが基本です。
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【試験対策ポイント】
・RSD/CRPS:発赤、腫脹、疼痛、皮膚の色調変化の四兆候
・交代浴:温浴40℃→冷浴15℃を交互に、温浴で終了
・脳卒中片麻痺の可動域訓練:拘縮予防のため早期から段階的に実施