第54回 作業療法士国家試験 午後 第12問
病理学概論第54回午後
57歳の女性。右利き。火災により右前腕以遠にⅢ度の熱傷を受傷した。救命救急センターに搬送され、壊死組織のデブリドマンを施行され、植皮術が行われた。術後3日目にベッドサイドにて作業療法を開始した。この時点での受傷手への対応で正しいのはどれか。
1. 弾性包帯による巻き上げ
2. 他動関節可動域訓練
3. 動的スプリント製作
4. 安静時の挙上
5. 抵抗運動
- 1. 弾性包帯による巻き上げ
- 2. 他動関節可動域訓練
- 3. 動的スプリント製作
- 4. 安静時の挙上 ✓
- 5. 抵抗運動
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 安静時の挙上
植皮術直後(術後3日目)は植皮の生着を最優先にする時期であり、受傷手への物理的刺激や運動を避ける必要があります。挙上により浮腫管理と血流改善を図りながら、植皮部の安静を保つことが正しい対応です。
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【各選択肢の解説】
1. 弾性包帯による巻き上げ
❌ 誤り。植皮直後は圧迫による物理的刺激が植皮の離開や損傷につながるため、この時期には適さない。浮腫管理は挙上で対応するべき。
2. 他動関節可動域訓練
❌ 誤り。植皮術直後は受傷手への運動療法は禁忌に近い。植皮の生着が不安定な時期に関節運動により植皮部が牽引され、生着失敗のリスクが高まる。
3. 動的スプリント製作
❌ 誤り。動的スプリントは運動制御を目的とするもので、植皮直後の安静期には不適切。この時期は関節拘縮予防よりも植皮生着が優先される。
4. 安静時の挙上
✅ 正しい。術後早期は患肢を心臓より高く挙上することで、浮腫の軽減と血流改善を図りつつ、植皮への物理的刺激を最小限に抑えられる。
5. 抵抗運動
❌ 誤り。植皮直後に抵抗運動は対象外。筋力強化は植皮が生着し、運動療法開始が許可された後期段階で初めて導入される。
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【試験対策ポイント】
- 植皮術直後(1週間以内)は**生着促進が最優先**、運動療法は禁止に近い
- 浮腫管理は**挙上**で対応、圧迫包帯は後期に使用
- 関節可動域訓練は**植皮生着確認後**(通常2週目以降)から開始