第54回 作業療法士国家試験 午後 第13問
身体障害作業療法第54回午後
85歳の男性。脳血管障害による右片麻痺で、発症から5か月が経過。回復期リハビリテーション病棟に入院中。主な介護者は77歳の妻。左手でT字杖を使用して屋内平地歩行は可能であるが、屋外は車椅子介助である。排泄はトイレにて自力で行うが、夜間頻尿と切迫性尿失禁がある。自宅の見取り図を示す。在宅復帰に向けて住環境の調整を行う際、作業療法士のアドバイスで正しいのはどれか。
1. 寝室をB(客室)に変更する。
2. ベッドの頭の向きを逆にする。
3. トイレの扉を内開きに変更する。
4. 屋外スロープは1cmの立ち上がりをつける。
5. 浴室に入出槽用の天井走行リフトを設置する。
- 1. 寝室をB(客室)に変更する。 ✓
- 2. ベッドの頭の向きを逆にする。
- 3. トイレの扉を内開きに変更する。
- 4. 屋外スロープは1cmの立ち上がりをつける。
- 5. 浴室に入出槽用の天井走行リフトを設置する。
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 寝室をB(客室)に変更する。
夜間頻尿と切迫性尿失禁がある患者にとって、トイレへのアクセス時間を短縮することが排泄管理の重要な課題です。現在の寝室からトイレが遠い場合、B(客室)をトイレに近い寝室に変更することで、夜間のトイレ移動が円滑になり、失禁リスクの軽減につながります。
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【各選択肢の解説】
1. 寝室をB(客室)に変更する。
✅ 正しい。夜間頻尿と切迫性尿失禁対策として、トイレへのアクセスを短縮することが最優先です。見取り図でB室がトイレに近ければ、夜間の移動距離を減らし排泄の自立度を高められます。
2. ベッドの頭の向きを逆にする。
❌ 誤り。ベッドの向き変更は排泄アクセス改善に直結しません。頭の向きより位置そのものの変更(寝室の移動)が重要です。
3. トイレの扉を内開きに変更する。
❌ 誤り。患者は左手でT字杖使用の右片麻痺です。右側が麻痺しているため、トイレ内での身体操作を考慮すると外開きが推奨されます。内開きは引き込み空間を必要とし、実装上の課題があります。
4. 屋外スロープは1cmの立ち上がりをつける。
❌ 誤り。屋外スロープに1cmの段差をつけることは転倒・転落リスクを増加させます。スロープは段差なし、または勾配1/12程度が標準です。
5. 浴室に入出槽用の天井走行リフトを設置する。
❌ 誤り。入出槽用リフトは有効ですが、この患者の優先課題は夜間頻尿対策です。限られた費用と改修範囲の中では、アクセス改善が先決です。
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【試験対策ポイント】
• 夜間頻尿・切迫性尿失禁 → トイレアクセス短縮が最優先対策
• 片麻痺患者のトイレ扉は患側を避ける配置(外開き推奨)
• スロープ勾配基準:1/12以下、段差なし