第54回 作業療法士国家試験 午後 第16問
臨床医学第54回午後
72歳の女性。夫は1年前に亡くなり1人暮らしをしている。家事をこなし地域のボランティア活動にも参加して活動的であるが「最近、下肢の深いところに虫が這うような不快さがあり、週3日くらいよく眠れない。20代のときにも同じような症状があった」と訴えている。作業療法士の助言で適切なのはどれか。
1. ペットを飼うように勧める。
2. 家族と一緒に住むようにと家族介入をする。
3. 筋肉量が少ないため筋力トレーニングを勧める。
4. 薬物療法の適応について医師へ相談するよう勧める。
5. 認知症の可能性があるので、介護保険を受けるように勧める。
- 1. ペットを飼うように勧める。
- 2. 家族と一緒に住むようにと家族介入をする。
- 3. 筋肉量が少ないため筋力トレーニングを勧める。
- 4. 薬物療法の適応について医師へ相談するよう勧める。 ✓
- 5. 認知症の可能性があるので、介護保険を受けるように勧める。
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 薬物療法の適応について医師へ相談するよう勧める。
本症例は下肢の不快感と不眠を呈しており、20代での既往歴から反復性のある症状です。これは「むずむず脚症候群(RLS)」の特徴的な提示であり、医学的評価と薬物療法の検討が必要なため、作業療法士は医師への相談を促すことが適切です。
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【各選択肢の解説】
1. ペットを飼うように勧める。
❌ 誤り。ペットとの交流は心理的支援になり得ますが、本症例の神経障害的症状(下肢の異常感覚)を直接解決する介入ではありません。
2. 家族と一緒に住むようにと家族介入をする。
❌ 誤り。患者は活動的で家事も自立しており、同居の必要性はありません。症状改善が優先であり、生活環境変更は過剰な介入です。
3. 筋肉量が少ないため筋力トレーニングを勧める。
❌ 誤り。活動的なボランティア参加をしている患者で、筋肉量不足は主要な問題ではありません。症状の神経生物学的性質が見落とされています。
4. 薬物療法の適応について医師へ相談するよう勧める。
✅ 正しい。むずむず脚症候群は医学的診断と治療(ドパミン作動薬など)が確立している疾患です。作業療法士は医師との連携を適切に促し、多職種支援の一環を担います。
5. 認知症の可能性があるので、介護保険を受けるように勧める。
❌ 誤り。下肢の異常感覚と不眠は認知症の主症状ではなく、認知機能低下の根拠が提示されていません。診断の誤認です。
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【試験対策ポイント】
• むずむず脚症候群(RLS):夜間の下肢異常感覚、不眠、既往歴での反復性が特徴
• 作業療法士の役割:医学的問題を認識し医師へ適切に相談する医療チーム連携
• 自立度評価:活動的で家事自立している患者への過剰介入を避ける