第54回 作業療法士国家試験 午後 第18問
精神障害作業療法第54回午後
14歳の女子。生来健康で活発であった。6か月前からダイエットを契機に拒食や過食嘔吐をするようになり、体重が58 kg(身長158 cm)から41 kgまで減少した。心配した母親に連れられて精神科を受診し、入院となった。3週後、体重は47 kgを超えて作業療法が開始となったが、部屋にある料理の本をずっと眺めており「したいことに集中できない」と訴えた。この患者に対する作業療法士の声かけで適切なのはどれか。
1. 「気分転換できる作業を探しましょう」
2. 「復学に向けた計画を考えていきましょう」
3. 「料理に興味があるのですね。簡単なものから作ってみましょう」
4. 「食物から距離を取るために、ここでは料理の本を見るのはやめましょう」
5. 「休養が大事な時期です。何もせずゆっくり過ごすことを目標にしましょう」
- 1. 「気分転換できる作業を探しましょう」 ✓
- 2. 「復学に向けた計画を考えていきましょう」
- 3. 「料理に興味があるのですね。簡単なものから作ってみましょう」
- 4. 「食物から距離を取るために、ここでは料理の本を見るのはやめましょう」
- 5. 「休養が大事な時期です。何もせずゆっくり過ごすことを目標にしましょう」
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 「気分転換できる作業を探しましょう」
神経性やせ症による入院患者の回復初期段階では、食事関連の刺激を避けつつ、興味や関心を他の活動へ段階的にシフトさせることが治療上重要です。気分転換できる作業への導入は、患者の認知を食物から離し、心理的負担を軽減しながら作業療法を進める適切なアプローチです。
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【各選択肢の解説】
1. 「気分転換できる作業を探しましょう」
✅ 正しい。患者の「集中できない」という訴えに対して、関心を食物以外に向けながら心理的負担を軽減する段階的な介入として適切です。
2. 「復学に向けた計画を考えていきましょう」
❌ 誤り。入院3週後で体重回復途上の急性期段階では、復学という現実的課題への計画は時期尚早であり、患者の心理的ストレスを増加させます。
3. 「料理に興味があるのですね。簡単なものから作ってみましょう」
❌ 誤り。神経性やせ症患者に対して料理という食物関連活動を勧めることは、過食嘔吐の症状を悪化させるリスクが高く、治療的に不適切です。
4. 「食物から距離を取るために、ここでは料理の本を見るのはやめましょう」
❌ 誤り。禁止的な指示は患者との治療的関係構築を損ない、より強い強迫観念につながる可能性があります。
5. 「休養が大事な時期です。何もせずゆっくり過ごすことを目標にしましょう」
❌ 誤り。作業療法開始段階で無為を奨励することは、治療の進行を妨げ、摂食障害患者の回復を促進しません。
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【試験対策ポイント】
・神経性やせ症の急性期作業療法は「食物刺激の回避」と「関心の転換」の両立が重要
・入院初期は復学や退院後計画より、日常作業への段階的参加を優先
・患者の訴え(「集中できない」)に対応した現在進行形の支援が治療的