OTカコモン作業療法士国家試験 過去問・解説

第54回 作業療法士国家試験 午後 第40問

運動学第54回午後

第54回 作業療法士国家試験 午後 第40問(運動学)の正答は 4 です。「い」で始まる単語をできるだけ多く挙げる課題は「言語流暢性課題(Verbal Fluency Task)」であり、前頭葉(前頭前野)の実行機能・語想起能力を評価する。

問題
「い」で始まる単語をなるべく多く挙げてください、という課題に対して統合失調症患者が「考えられない」、「言葉が出てこない」と訴えた。この状況から考えられる患者の障害で正しいのはどれか。
  1. 1. 運動機能障害
  2. 2. 注意機能障害
  3. 3. 言語性記憶障害
  4. 4. 言語流暢性障害
  5. 5. ワーキングメモリーの障害

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — 言語流暢性障害

「い」で始まる単語をできるだけ多く挙げる課題は「言語流暢性課題(Verbal Fluency Task)」であり、前頭葉(前頭前野)の実行機能・語想起能力を評価する。統合失調症では陰性症状(思考貧困・無為)や前頭葉機能障害により言語流暢性が低下し、「言葉が出てこない」という訴えが生じる。


【各選択肢の解説】

1. 運動機能障害
❌ 誤り。言語産出に必要な発話運動に問題があれば構音障害などを呈するが、本症例では「考えられない・言葉が出てこない」とあり、運動機能の問題ではない。
2. 注意機能障害
❌ 誤り。注意障害は課題への持続・選択的注意の低下として現れるが、本症状の主体は語の産出困難であり、言語流暢性障害がより直接的な説明となる。
3. 言語性記憶障害
❌ 誤り。記憶障害では新しい情報の記銘・再生が困難になるが、語想起課題での産出困難は記憶よりも遂行機能・語彙検索に依存する。
4. 言語流暢性障害
✅ 正しい。言語流暢性課題は前頭葉機能と語彙アクセスを評価し、統合失調症の特徴的な認知障害(特に思考の貧困化)を反映する。
5. ワーキングメモリーの障害
❌ 誤り。ワーキングメモリは情報の一時的保持・操作に関わり、この課題にも関与するが、「言葉が出てこない」という産出困難の直接の原因は言語流暢性障害として分類される。

【試験対策ポイント】

言語流暢性課題は「指定カテゴリ(野菜・動物など)または指定文字(かな)で始まる語を1分間にできるだけ多く産出する」テスト。前頭葉機能(実行機能・語彙検索)を反映し、統合失調症・前頭側頭型認知症・うつ病で低下しやすい。WABやBADSにも類似課題が含まれる。

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