OTカコモン — 作業療法士国家試験 過去問・解説

第55回 作業療法士国家試験 午前 第10問

臨床医学第55回午前
70歳の女性。Parkinson病。Hoehn & Yahrの重症度分類ステージⅢ。自宅で頻回に転倒し、日常生活に支障をきたすようになった。この患者に対する指導として適切なのはどれか。 1. 直線的な方向転換をする。 2. 歩行時に体幹を屈曲する。 3. 車椅子駆動の方法を指導する。 4. リズムをとりながら歩行する。 5. 足関節に重錘バンドを装着して歩行する。
  1. 1. 直線的な方向転換をする。
  2. 2. 歩行時に体幹を屈曲する。
  3. 3. 車椅子駆動の方法を指導する。
  4. 4. リズムをとりながら歩行する。 ✓
  5. 5. 足関節に重錘バンドを装着して歩行する。

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — リズムをとりながら歩行する。 Parkinson病患者の歩行障害(小刻み歩行、すくみ足など)に対して、外的なリズム刺激(メトロノームやリズミカルな音声指導など)を与えることで、脳幹の歩行リズム中枢を活性化させ、歩行改善と転倒予防に有効です。ステージⅢでの転倒予防として最適な指導です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 直線的な方向転換をする。 ❌ 誤り。Parkinson病患者では方向転換時にすくみ足が生じやすく、むしろ「広い旋回半径で曲線的に方向転換する」ことが推奨されます。 2. 歩行時に体幹を屈曲する。 ❌ 誤り。体幹屈曲は姿勢反射障害を増悪させ、転倒リスクを高めます。むしろ「体幹を直立に保つ」ことが重要です。 3. 車椅子駆動の方法を指導する。 ❌ 誤り。ステージⅢはまだ非常に重度な段階ですが、適切なリハビリで自力歩行が継続可能です。早期の車椅子導入は非効率です。 4. リズムをとりながら歩行する。 ✅ 正しい。外的リズム刺激は大脳皮質を介さない脊髄歩行パターン発生器を直接活性化し、Parkinson病の歩行改善に最も効果的な方法として確立されています。 5. 足関節に重錘バンドを装着して歩行する。 ❌ 誤り。重錘装着は下肢の負荷を増加させ、むしろ転倒リスクや疲労を増加させる可能性があります。 --- 【試験対策ポイント】 • Parkinson病患者への外的リズム刺激(音楽療法、メトロノーム)は歩行改善の根拠ある介入 • 避けるべき指導:直線的方向転換、体幹屈曲、体重移動時の速度増加 • ステージⅢ患者への指導は「転倒予防」と「歩行機能維持」の両立が目標
関連

▶ 第55回 全問一覧

▶ 臨床医学 の過去問一覧