第55回 作業療法士国家試験 午前 第15問
精神障害作業療法第55回午前
24歳の女性。高校生のころ、授業で教科書を音読する際に声が震えて読めなくなり、それ以降、人前で発表することに恐怖感を抱くようになった。就職後、会議のたびに動悸や手の震え、発汗が生じるようになり「変だと思われていないだろうか」、「声が出るだろうか」と強い不安を感じるようになった。最近になり「人の視線が怖い」、「会議に出席するのがつらい」と言うようになり、精神科を受診し外来作業療法が開始された。この患者の障害として適切なのはどれか。
1. 社交(社会)不安障害
2. 全般性不安障害
3. パニック障害
4. 強迫性障害
5. 身体化障害
- 1. 社交(社会)不安障害 ✓
- 2. 全般性不安障害
- 3. パニック障害
- 4. 強迫性障害
- 5. 身体化障害
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 社交(社会)不安障害
この患者は高校時代の「授業での音読時に声が震える」という特定の社会的状況での経験から始まり、その後「人前での発表」「会議での発言」といった社会的評価の場面に限定された強い恐怖と不安を示しています。動悸・手の震え・発汗などの身体症状を伴い、「人の視線が怖い」という他者からの評価への過度な懸念が特徴であり、社交不安障害の典型的な臨床像です。
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【各選択肢の解説】
1. 社交(社会)不安障害
✅ 正しい。社会的状況(人前での発表や会議など)での評価不安と身体症状(動悸・震え・発汗)、および他者の視線への過度な懸念が本診断の中核的特徴です。
2. 全般性不安障害
❌ 誤り。全般性不安障害は多くの場面・活動に対する慢性的で広範な不安が特徴であり、この患者のように社会的評価場面に限局した不安ではありません。
3. パニック障害
❌ 誤り。パニック障害は予測不可能な急激なパニック発作が主体で、予期不安が生じます。この患者は社会的状況という特定のトリガーがあり、パニック障害とは異なります。
4. 強迫性障害
❌ 誤り。強迫性障害は侵入的な強迫観念と強迫行為が特徴です。この患者には強迫行為が記述されていません。
5. 身体化障害
❌ 誤り。身体化障害は複数の身体症状訴訟が主要な特徴であり、この患者の場合は心理社会的ストレッサーへの反応としての身体症状が前景です。
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【試験対策ポイント】
- 社交不安障害:「人前での発表」「他者の視線」「社会的評価」がキーワード
- 全般性不安障害との違い:限局 vs. 広範(全般的)
- 身体症状(動悸・震え)の有無は両者とも起こりうるため、不安の場面・広がり方で鑑別