第55回 作業療法士国家試験 午前 第16問
作業療法評価学第55回午前
16歳の男子。高校に進学したが友人関係のトラブルが続き不登校となった。校医に相談し精神科を受診したところ、対人関係技能の低さ、こだわりの強さ、感覚過敏などを指摘され、作業療法に参加することとなった。この患者でみられる行動の特徴として正しいのはどれか。
1. 相手に気を遣い過ぎる。
2. 本音と建前を区別できない。
3. 葛藤に満ちた対人関係を結ぶ。
4. 他者の関心を集めようとする。
5. 否定的評価を受ける状況を避けようとする。
- 1. 相手に気を遣い過ぎる。
- 2. 本音と建前を区別できない。 ✓
- 3. 葛藤に満ちた対人関係を結ぶ。
- 4. 他者の関心を集めようとする。
- 5. 否定的評価を受ける状況を避けようとする。
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 本音と建前を区別できない。
患者の提示情報(対人関係技能の低さ、こだわりの強さ、感覚過敏)はASD(自閉症スペクトラム障害)の特徴を示唆しています。ASDでは社会的コミュニケーション能力の障害があり、本音と建前といった社会的文脈の使い分けが困難です。
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【各選択肢の解説】
1. 相手に気を遣い過ぎる。
❌ 誤り。ASDでは対人関係技能の低さから相手への共感や気遣いが不足する傾向があり、むしろ気を遣えないことが問題となります。
2. 本音と建前を区別できない。
✅ 正しい。ASDの中核的な特徴である社会的コミュニケーション能力の障害により、文脈に応じた柔軟な対人相互作用ができず、本音と建前の区別が困難です。
3. 葛藤に満ちた対人関係を結ぶ。
❌ 誤り。これは境界性パーソナリティ障害などの特徴であり、ASDではむしろ対人関係構築自体が困難です。
4. 他者の関心を集めようとする。
❌ 誤り。ASDでは対人関係への関心が低く、むしろ独自の関心事に没頭する傾向があります。
5. 否定的評価を受ける状況を避けようとする。
❌ 誤り。これは社交不安症や回避性パーソナリティ障害の特徴です。ASDではこの回避動機が主たる問題ではありません。
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【試験対策ポイント】
- ASDの3つの中核特徴:社会的コミュニケーション障害、限定的で反復的な行動・興味、感覚過敏
- 「本音と建前の区別」「社会的文脈の理解不足」はASD診断の重要な観点
- 不登校の背景要因鑑別:ASD(対人関係技能低下)vs 社交不安症(評価懸念)の区別