第55回 作業療法士国家試験 午前 第35問
臨床医学第55回午前
大腿骨頸部骨折に対して後方アプローチにて人工骨頭置換術を施行した患者のADL指導で正しいのはどれか。
1. 和式トイレで排泄する。
2. 割り座で足の爪を切る。
3. あぐら座位で靴下をはく。
4. 健側下肢から階段を下りる。
5. 椅子に座って床の物を拾う。
- 1. 和式トイレで排泄する。
- 2. 割り座で足の爪を切る。
- 3. あぐら座位で靴下をはく。 ✓
- 4. 健側下肢から階段を下りる。
- 5. 椅子に座って床の物を拾う。
正答:3番
解説
■ 正答:5番 — 椅子に座って床の物を拾う。
後方アプローチの人工骨頭置換術後は股関節の後方脱臼を防ぐため、股関節屈曲90°以上の姿勢と内転・内旋を避ける必要があります。椅子座位から前方に身体を傾けて床の物を拾う動作は、股関節を90°以上屈曲させず、脱臼肢位を避けられる安全な動作です。
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【各選択肢の解説】
1. 和式トイレで排泄する。
❌ 誤り。和式トイレは股関節を過度に屈曲させ、さらに腰の前傾による内旋位になり、脱臼のリスクが極めて高い。洋式トイレを使用する必要があります。
2. 割り座で足の爪を切る。
❌ 誤り。割り座は股関節の内転・内旋位を強いる禁止肢位であり、脱臼リスクが最も高い動作の一つです。
3. あぐら座位で靴下をはく。
❌ 誤り。あぐら座位は股関節を過度に屈曲・外転させ、特に患側への内旋位になりやすく脱臼の危険があります。
4. 健側下肢から階段を下りる。
❌ 誤り。階段は患側下肢から下りるのが正しい。健側から下りると患側に体重がかかり、股関節屈曲位での過負荷になります。
5. 椅子に座って床の物を拾う。
✅ 正しい。椅子座位は股関節屈曲を制限でき、前方への軽い前傾で拾える動作は脱臼肢位を避けられます。
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【試験対策ポイント】
- 後方アプローチ:股関節屈曲90°以上、内転・内旋を避ける
- 禁止肢位:和式トイレ、割り座、あぐら座、股関節内転位での動作
- 階段:患側下肢から上り、健側下肢から下りる(患側は支持脚)