第55回 作業療法士国家試験 午後 第3問
作業療法評価学第55回午後
54歳の男性。勤務中に突然の気分不快を訴え病院を受診し、脳梗塞による左片麻痺にて入院となった。妻と子供との3人暮らしで家事は妻が担っていた。職業は会社員で事務仕事を行い、会社までは電車で通勤していた。3か月が経過して、ADLは自立し、患者は復職を希望するようになった。Brunnstrom法ステージは上肢Ⅲ、手指Ⅱ、下肢Ⅴで病院内外の杖歩行は自立している。認知機能に明らかな問題はない。この時点でのIADL評価で優先すべきなのはどれか。
1. 買い物
2. 公共交通機関の利用
3. 食事の用意
4. 火の始末
5. ベッドメイキング
- 1. 買い物
- 2. 公共交通機関の利用 ✓
- 3. 食事の用意
- 4. 火の始末
- 5. ベッドメイキング
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 公共交通機関の利用
患者は復職を希望しており、会社までの通勤に電車利用が必須です。現在の身体機能(上肢Ⅲ、手指Ⅱ)では公共交通機関の安全な利用能力が復職の最大の課題であり、IADL評価で優先すべきです。
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【各選択肢の解説】
1. 買い物
❌ 誤り。買い物は重要なIADLですが、復職という当面の目標達成には直結しません。妻が現在担っており、緊急性が低いです。
2. 公共交通機関の利用
✅ 正しい。復職には毎日の電車通勤が必須であり、片麻痺患者の転倒リスク、手すり把持、乗降動作など安全性評価が最優先課題です。
3. 食事の用意
❌ 誤り。調理は重要ですが、妻が担当していた役割であり、復職という現在の優先目標に直結しません。
4. 火の始末
❌ 誤り。安全管理上重要ですが、患者は認知機能が正常であり、火元管理の顕著な問題は示唆されていません。
5. ベッドメイキング
❌ 誤り。ADLは既に自立しており、本項目の評価は必要性が低いです。
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【試験対策ポイント】
• 復職希望患者には通勤手段の安全利用が最優先IADL課題
• Brunnstrom法上肢Ⅲでは片手把持が不十分で乗降動作のリスク評価が重要
• IADL評価は患者の実生活目標と対応させて優先順位を決定