第55回 作業療法士国家試験 午後 第7問
作業療法評価学第55回午後
42歳の女性。多発性硬化症による両側視神経炎を伴う四肢麻痺。筋力低下が進行し、移動には車椅子を使用している。MMTは上肢近位部で段階3、遠位部で段階4。有痛性けいれんがある。この患者に対する作業療法で適切なのはどれか。
1. ビーズで指輪を作る。
2. 木工作業で本棚を作る。
3. 卓上編み機でマフラーを編む。
4. 小さな刻印で革に模様をつける。
5. ネット手芸でティッシュボックスを作る。
- 1. ビーズで指輪を作る。
- 2. 木工作業で本棚を作る。
- 3. 卓上編み機でマフラーを編む。 ✓
- 4. 小さな刻印で革に模様をつける。
- 5. ネット手芸でティッシュボックスを作る。
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 卓上編み機でマフラーを編む。
この患者は上肢近位部MMT3と低い筋力を有し、有痛性けいれんがあるため、上肢の大きな動き(粗大運動)を活用しながら、反復的な運動により筋力強化と痙攣軽減が期待できる卓上編み機が最適です。
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【各選択肢の解説】
1. ビーズで指輪を作る。
❌ 誤り。ビーズ作業は微細な指の動き(精密作業)を要求するため、遠位部MMT4程度では可能ですが、有痛性けいれんがある患者には向きません。
2. 木工作業で本棚を作る。
❌ 誤り。木工は重い工具を扱い、継続的な高い筋力を必要とします。上肢近位部MMT3の患者には負担が大きすぎます。
3. 卓上編み機でマフラーを編む。
✅ 正しい。卓上編み機は上肢(特に近位部)の中程度の筋力で操作でき、規則的で反復的な運動が痙攣軽減に有効です。筋力強化と同時に心理的満足感も得られます。
4. 小さな刻印で革に模様をつける。
❌ 誤り。精密作業であり、力の調整が難しく、痙攣がある患者には集中を要します。
5. ネット手芸でティッシュボックスを作る。
❌ 誤り。細かい手指の操作が中心となり、上肢近位部の筋力強化には適していません。
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【試験対策ポイント】
- 上肢近位部MMT3=肘伸展・肩外転などが重力に抗して可能なレベル
- 有痛性痙攣=反復的・リズミカルな運動が軽減効果を示す
- 作業選択は「患者の残存機能を活かし、治療目的を達成できるもの」が鉄則