第55回 作業療法士国家試験 午後 第10問
臨床医学第55回午後
72歳の男性。Parkinson病でHoehn & Yahrの重症度分類ステージⅢ。60歳代前半に発症し、投薬治療で経過観察されていたが、小刻み歩行やすくみ足が出現し、1日複数回転倒するようになってきている。特に方向転換を必要とする箇所での転倒が多い。自宅の見取り図を示す。転倒防止のための対応で誤っているのはどれか。
1. リビングでは椅子(A)を使用する。
2. トイレの扉(B)を引き戸に改修する。
3. 浴室の入り口側の壁の洗い場と浴槽の間(C)に縦手すりを設置する。
4. 浴槽内(D)に台を設置する。
5. ベッドへのアプローチのために床(E)にテープで目印をつける。
- 1. リビングでは椅子(A)を使用する。 ✓
- 2. トイレの扉(B)を引き戸に改修する。
- 3. 浴室の入り口側の壁の洗い場と浴槽の間(C)に縦手すりを設置する。
- 4. 浴槽内(D)に台を設置する。
- 5. ベッドへのアプローチのために床(E)にテープで目印をつける。
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — リビングでは椅子(A)を使用する。
Parkinson病ステージⅢで小刻み歩行・すくみ足・転倒が頻発している患者には、立ち上がり動作時の転倒リスクが高いため、リビングではソファなど低めで深さのある座面を選択すべきであり、椅子は立ち上がりが困難になるため転倒防止対応として誤りです。
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【各選択肢の解説】
1. リビングでは椅子(A)を使用する。
❌ 誤り。Parkinson病患者は立ち上がり時に姿勢の不安定化やすくみ足が出現しやすく、椅子のような高さのある座面は立ち上がり困難で転倒リスクが高まります。低く安定したソファが推奨されます。
2. トイレの扉(B)を引き戸に改修する。
✅ 正しい。方向転換が多い箇所での転倒防止のため、開き戸から引き戸への改修は動作空間を広げ、向き変わり動作を減らすことで転倒予防に有効です。
3. 浴室の入り口側の壁の洗い場と浴槽の間(C)に縦手すりを設置する。
✅ 正しい。浴室は濡れた環境で転倒リスクが高く、立ち上がり・浴槽またぎなどの動作で必要な支持基盤となり、転倒防止に有効です。
4. 浴槽内(D)に台を設置する。
✅ 正しい。浴槽出入時の下肢の挙上負荷を軽減し、転倒・溺水リスク低減に有効な環境整備です。
5. ベッドへのアプローチのために床(E)にテープで目印をつける。
✅ 正しい。すくみ足が出現しやすいParkinson病患者にとって、視覚的な目印は歩行開始・方向転換時の運動学習補助として有効で、転倒防止に役立ちます。
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【試験対策ポイント】
• Parkinson病ステージⅢでの立ち上がり困難:椅子より低いソファなど深い座面が推奨
• すくみ足対策:視覚的キューイング(床の目印など)が有効
• 浴室・トイレ等濡れた環境:手すり設置と動作空間確保が転倒予防の要