第55回 作業療法士国家試験 午後 第12問
保健医療福祉第55回午後
87歳の男性。脳血管障害の後遺症により週1回の訪問作業療法を行っている。訪問時、85歳の妻が「家で介護することがつらい。疲れた」と暗い顔でため息をついている。訪問作業療法士の対応で正しいのはどれか。
1. 妻に精神科の受診を勧める。
2. 近隣の入所施設の空き情報を伝える。
3. 患者へ妻に甘えすぎないように話す。
4. 訪問介護事業所に利用開始を依頼する。
5. ケアマネージャーに妻の状況を報告する。
- 1. 妻に精神科の受診を勧める。
- 2. 近隣の入所施設の空き情報を伝える。
- 3. 患者へ妻に甘えすぎないように話す。
- 4. 訪問介護事業所に利用開始を依頼する。
- 5. ケアマネージャーに妻の状況を報告する。 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — ケアマネージャーに妻の状況を報告する。
介護者(妻)の介護疲労を察知した場合、作業療法士は単独で判断・対応するのではなく、ケアマネージャーに情報提供し、介護サービス計画の見直しや支援体制の整備を促すことが適切です。これが多職種連携における基本的な対応です。
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【各選択肢の解説】
1. 妻に精神科の受診を勧める。
❌ 誤り。作業療法士が医学的診断に基づいた受診を勧めるのは越権行為です。一時的な疲労を精神疾患と判断するべきではありません。
2. 近隣の入所施設の空き情報を伝える。
❌ 誤り。施設入所は本人と家族の希望や、ケアマネージャーを含む多職種での検討が必要です。作業療法士が独断で施設情報を提供することは適切ではありません。
3. 患者へ妻に甘えすぎないように話す。
❌ 誤り。患者への働きかけは問題解決にならず、実際の介護負担を軽減しません。また患者を追い詰める可能性があります。
4. 訪問介護事業所に利用開始を依頼する。
❌ 誤り。作業療法士が直接介護事業所に利用開始を依頼することはできません。ケアマネージャーを通じた適切な手続きが必要です。
5. ケアマネージャーに妻の状況を報告する。
✅ 正しい。ケアマネージャーは介護保険の管理者として、介護者の負担状況を把握し、訪問介護やショートステイなどのサービス追加を含めた計画見直しを行う立場にあります。
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【試験対策ポイント】
• 介護者負担の報告先 → ケアマネージャー(多職種連携の要)
• 作業療法士の権限と責任の範囲を理解する
• 在宅支援では「情報提供と連携」が基本姿勢