第56回 作業療法士国家試験 午前 第3問
作業療法評価学第56回午前
25歳の男性。頸髄完全損傷。手指屈曲拘縮以外の関節可動域制限はない。書字の際のボールペンを把持した場面(別冊No. 1)を別に示す。片手では困難で、両手でボールペンを保持する動作が観察された。このような動作を行う頸髄損傷患者のZancolliの四肢麻痺上肢機能分類の最上位レベルはどれか。
1. C5A
2. C6A
3. C6B3
4. C7A
5. C8B
- 1. C5A
- 2. C6A ✓
- 3. C6B3
- 4. C7A
- 5. C8B
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — C6A
Zancolliの分類では、患者の機能的能力に基づいて頸髄損傷のレベルを判定します。本症例は両手でボールペンを保持する必要があり、片手での把持が困難な点が重要です。C6Aレベルは肩関節外転・外旋、肘関節屈曲、手関節伸展が可能で、協調的な両手動作が可能な最上位レベルに該当し、書字などの細かい操作には両手の代償を要します。
---
【各選択肢の解説】
1. C5A
❌ 誤り。C5Aは肩関節の外転・外旋のみで、肘屈曲や手関節伸展が不十分であり、本症例の両手協調動作を行う能力に達していません。
2. C6A
✅ 正しい。肩関節外転・外旋、肘屈曲、手関節伸展が可能で、両手の協調動作による書字が可能な最上位レベルです。
3. C6B3
❌ 誤り。C6B3はC6Aより機能が低く、さらに制限された手指機能を示すレベルであり、患者の観察された能力より下位です。
4. C7A
❌ 誤り。C7Aは手指屈曲力を有するより高いレベルで、本症例は手指屈曲拘縮のみとされており、この分類に合致しません。
5. C8B
❌ 誤り。C8Bは胸髄機能を含む最も高いレベルで、本症例の頸髄完全損傷の状態に矛盾します。
---
【試験対策ポイント】
・Zancolliの四肢麻痺上肢機能分類は患者の実際の動作能力から逆算して判定する
・C5A→C6A→C6B→C7A→C8Bの順で機能が向上し、手関節伸展と手指機能が追加される
・代償動作(両手協調)の有無が分類を判断する重要な指標