OTカコモン作業療法士国家試験 過去問・解説

第56回 作業療法士国家試験 午前 第10問

作業療法評価学第56回午前

第56回 作業療法士国家試験 午前 第10問(作業療法評価学)の正答は 4 です。乳がん術後の腋窩リンパ節郭清後はリンパ浮腫のリスクが高まる。

問題
32歳の女性。右利き。診断名は右乳がん(ステージⅡ)。右乳房切除術と腋窩リンパ節郭清術施行目的で入院となった。夫と2歳の子どもとの3人暮らし。職業は保育士。術前の右上肢機能は良好であり、セルフケアや家事動作は自立していた。術後作業療法について正しいのはどれか。
  1. 1. 日光浴を勧める。
  2. 2. 術側の上肢は固定する。
  3. 3. 事務職への転職を勧める。
  4. 4. 重量物を持たないように指導する。
  5. 5. 3か月間物干し動作は行わないよう指導する。

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — 重量物を持たないように指導する

乳がん術後の腋窩リンパ節郭清後はリンパ浮腫のリスクが高まる。重量物の把持・運搬は術側上肢に静脈・リンパの還流負荷を増大させ、浮腫を誘発・増悪させる原因となるため、指導として最も重要である。


【各選択肢の解説】

1. 日光浴を勧める。
❌ 誤り。強い日光(紫外線・熱)による皮膚への刺激はリンパ浮腫の悪化因子。直射日光は避けるよう指導する。
2. 術側の上肢は固定する。
❌ 誤り。術後早期から上肢の自動運動(肩関節可動域訓練など)を実施するのが標準的。固定は廃用を招く。
3. 事務職への転職を勧める。
❌ 誤り。患者は保育士。職業変更を安易に勧めることは生活・経済的背景を無視しており不適切。環境調整・工夫指導を行う。
4. 重量物を持たないように指導する。
✅ 正しい。術側上肢への過負荷はリンパ浮腫の主要誘因。5kg以上の荷物を避けることが一般的に推奨される。
5. 3か月間物干し動作は行わないよう指導する。
❌ 誤り。肩関節挙上動作(物干し等)は術後早期から段階的に開始する。長期禁止は拘縮・廃用の原因となる。

【試験対策ポイント】

乳がん術後リンパ浮腫の予防指導:重量物禁止・感染予防(採血・注射は術側禁)・過熱禁止・圧迫衣類着用。術後上肢拘縮予防のために早期から肩関節可動域訓練を行うことも重要。「固定」「長期禁止」という選択肢は誤りのパターンとして頻出。

✍️ この解説の作成・点検

ST-Toolbox編集部(リハビリテーション領域の国家資格を持つ現役専門職が運営)が、作業療法士領域の有資格者の知見と標準的な教科書・ガイドラインに基づいて作成・点検しています。解説の下書きにはAIを活用し、人が確認・点検したうえで公開しています。

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